3. 計算式は換金する時期で4通りある
財務省は換金金額の計算式を4つに分けて示しています。
3.1 第3期利子支払日以降は直前2回分×0.79685
1つ目は第3期利子支払日以降に換金する場合で、「額面金額+経過利子相当額−直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」です。
利子は年2回ですので、第3期利子支払日は発行から1年6か月後にあたります。令和8年9月募集分なら令和10年4月15日です。
3.2 第2期から第3期前までは初回の利子の調整額が絡む
2つ目は第2期利子支払日から第3期利子支払日前までの間に換金する場合です。式は「額面金額+経過利子相当額−〔直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(−初回の利子の調整額(税引前)相当額)〕」となります。
財務省によると、購入時に初回の利子の調整額を払い込んだ銘柄は、かっこ内の中途換金調整額から初回の利子の調整額(税引前)相当額が差引かれます。換金できる最初の時期にあたるのがこの区間です。
3.3 残る2つは原則換金できない期間の式
3つ目は初回の利子支払日から第2期利子支払日前までの間、4つ目は初回の利子支払日前に換金する場合の式です。
いずれも第2期利子支払日より前ですので、原則として中途換金ができない期間にあたります。次に見る特例で換金するときに使われる式です。
4. 換金できない期間でも特例がある
原則の例外も定められています。
4.1 口座名義人が亡くなった場合
財務省によると、個人向け国債には中途換金ができない期間がありますが、その期間中であっても、口座名義人がお亡くなりになられた場合には中途換金が可能となります。
口座名義人には特定贈与信託の受益者も含まれます。
4.2 災害救助法の適用対象となった自然災害で被害を受けた場合
もう1つは、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けられた場合です。この場合も換金できない期間中でも中途換金が可能になります。
どちらも申請の手続きが定められていますので、該当する場合は取扱機関に確認することになります。
4.3 1年以内に使う予定があるなら別の置き場所を
特例は亡くなった場合と大規模な自然災害の場合に限られます。1年以内に使う予定があるお金は、この2つのどちらにも当てはまりません。
最初の1年は動かせないお金として置くことになりますので、その前提で金額を決めるのが確かです。
5. 確かめておきたい3つのこと
買う前に押さえておく点をまとめます。
5.1 発行日から1年と1年6か月の日を数える
換金できるようになるのは第2期利子支払日で、発行から1年後です。直前2回分×0.79685という単純な式になるのは第3期利子支払日、発行から1年6か月後からです。
令和8年9月募集分なら発行日が10月15日ですので、令和9年10月15日と令和10年4月15日が節目になります。
5.2 額面金額は戻ることを押さえる
中途換金で差し引かれるのは直近2回分の利子に対応する額で、額面金額は戻ります。100万円分なら100万円は残り、そこから1万5538円ほどが引かれる形です。
値下がりで元本が削られる商品とは仕組みが違います。
5.3 取扱機関の窓口で確認する
中途換金は口座を開設している取扱機関で手続きします。実際の換金金額は保有期間や銘柄によって変わりますので、手続きの前に金額を確認してください。
この記事の試算は令和8年9月募集分の利率をもとにしたもので、募集月ごとに利率は変わります。
6. 元本は戻るが直近の利子は残らない
個人向け国債は第2期利子支払日(発行から1年経過)以降、原則としていつでも1万円単位で中途換金できます。手数料は必要ありません。
第3期利子支払日以降に換金する場合、差し引かれるのは直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685です。令和8年9月募集分を100万円分持っている場合、変動10年で1万5538円、固定5年で1万7849円、固定3年で1万5618円になります。
額面金額そのものは戻りますので、元本が減るわけではありません。ただし最初の1年は原則動かせませんので、その期間に使う予定のあるお金は別に分けておいてください。
参考資料
和田 直子