2.4 教育訓練給付金
働きながら資格取得やスキルアップを目指したい方は、教育訓練給付金を受給できる可能性があります。
教育訓練給付金とは、雇用保険の被保険者期間などの一定の要件を満たした方が厚生労働大臣指定の教育訓練を受講し修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。
支給額は対象となる講座によって異なり、一般教育訓練では要した費用の20%(上限10万円)が支給されます。
特定一般教育訓練では40%(上限20万円)、専門実践教育訓練では50%(年間上限40万円)が基本の給付率です。
これらの講座には、追加の給付も用意されています。特定一般教育訓練では、資格を取得して修了後1年以内に就職などをした場合に50%(上限25万円)まで引き上げられます。
専門実践教育訓練では、資格を取得して就職などをした場合に70%(年間上限56万円)、さらに賃金が5%以上上がった場合には80%(年間上限64万円)まで引き上げられます。いずれも条件を満たした場合の給付率である点に注意しましょう。
ただし、どの講座でも自由に利用できるわけではありません。対象となる講座は、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で確認可能です。
2.5 高額療養費
病気やけがにより高額な医療費がかかった場合は、高額療養費制度を利用できる可能性があります。
高額療養費制度とは、1か月間に医療機関や薬局の窓口で支払った自己負担額が、所定の上限額を超えた場合に、超えた分の支給を受けられる制度です。
上限額は、年齢や所得に応じて定められています。厚生労働省は2026年8月からの制度の例として、70歳未満で年収が約370万円~約510万円の方が医療費100万円の治療を受けた場合、自己負担は約9万3000円まで抑えられるとしています。
手続き方法は加入中の健康保険によって異なります。医療費が高額になりそうな場合は、事前に健康保険の窓口や勤務先などに確認しておきましょう。
<執筆者からアドバイス>
高額療養費制度は、制度を持続可能なものとし、なおかつ長期療養者のセーフティネットの強化を図るため、2026年8月と2027年8月の2段階で見直されます。
2026年8月からの主な改正点は以下の2つです。
- 1か月の自己負担上限額の引き上げ
- 年間上限額の新設(8月から翌年7月までの12か月が対象)
このとき、直近12か月に3回以上該当した場合に4か月目以降の上限が下がる「多数回該当」の金額は据え置かれました。新設された年間上限とあわせて、長期の治療が続く方の負担が増えにくいように設計されています。
一方、短期間の病気やけがで1か月だけ該当するような場合は、月額の上限が上がる分だけ自己負担が増えることになります。
さらに2027年8月からは、所得区分の細分化と、年収200万円未満の課税世帯における多数回該当の金額の引き下げが予定されています。
医療費のための備えを手厚くできるよう、生活費を見直してみましょう。
3. おわりに
2026年9月時点で、すべての国民が受け取れる一律の現金給付は予定されていません。支援が必要な場合は、給付金を待つだけでなく、自分の年齢や所得、生活状況に応じて利用できる公的制度を確認することが重要です。
特に、年金生活者支援給付金は、新たに対象となる方へ2026年9月から請求書が順次送付されています。令和9年1月4日までに提出すれば令和8年10月分からさかのぼって受け取れるため、届いた書類を放置せず、内容を確認のうえ早めに手続きを取りましょう。
ほかにも、住居確保給付金や職業訓練受講給付金、教育訓練給付金、高額療養費制度などの支援制度もあります。
ただし、中には自分で手続きをしなければ支給されないものもあるため、自分が利用できる給付金はないか早めに確認し、担当機関へ相談することをおすすめします。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「令和8年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)の送付について」
- 厚生労働省「厚生労働省生活支援特設ウェブサイト | 住居確保給付金:制度概要」
- 厚生労働省「職業支援・給付金などについて知る|ハロトレ特設サイト」
- 東京労働局「受講中の給付金について」
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
- 厚生労働省「教育訓練給付金」
- ハローワークインターネットサービス -「教育訓練給付金」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- 協会けんぽ「【制度改正】令和8年8月から高額療養費制度が見直されます」
木内 菜穂子