物価高が続く中、「今年は国からの現金給付の予定はないのだろうか」と考えている方もいるのではないでしょうか。
結論から申し上げると、2026年9月時点で、過去に実施されたような全国民を対象とする一律の現金給付は予定されていません。
しかし、公的制度の中には、収入が減少したときや高額な医療費がかかったときなど、個人の状況に応じて利用できる給付制度があります。
特に要件を満たした年金受給者には、2026年9月から「年金生活者支援給付金」の請求書が順次送付されています。
本記事では、一律の現金給付がない今だからこそ確認したい、5つの給付制度を紹介します。
1. 2026年度は一律の現金給付なし。条件に応じた支援制度を確認しよう
これまで物価高への対策として、全国民を対象とする現金給付や、住民税非課税世帯などを対象にした給付金が実施されたことがあります。
しかし、全国民を対象とする一律の現金給付については、2026年度に入ってからは実施されておらず、今後実施する予定も公表されていません。
給付金を期待していた方には残念な内容かもしれませんが、一律の現金給付を待つのではなく、現在利用できる公的支援制度を自分の状況に合わせて確認することが重要です。
公的支援制度には、低所得の年金受給者を対象とするものや、失業・収入減少によって住居の確保が難しくなった方を支援するものなどがあります。また、医療費が高額になった場合に、自己負担を軽減する制度もあります。
このほか、自治体が独自に行う給付金や、対象を絞った支援が用意されていることもあります。国の制度とあわせて、住んでいる自治体の情報も確認しておきましょう。
ただし、条件を満たしているからといって、自動的に受け取れるとは限りません。制度によっては申請期限が設けられているものや、自分から手続きをしなければ受け取れないものもあります。
「自分には関係ない」と思い込まず、利用できる制度がないか確認することが大切です。
<執筆者からアドバイス>
臨時給付金は家計の一助となるものですが、一時的な補填に過ぎません。「給付金があるから補填できる」という前提を捨てて、現在の実質的な手取り収入のみで生活費をカバーできるよう、ライフプランの見直しを行うことが大切です。
例えば、通信費・保険料・住宅ローンなどの固定費を見直すことで、継続的な節約ができることもあります。
2. 2026年度に確認したい5つの給付制度
ここからは、2026年度に確認しておきたい代表的な給付制度を5つ紹介します。
2.1 年金生活者支援給付金-9月から請求書が届く人も-
年金生活者支援給付金は、年金や所得が一定基準以下の年金受給者に対し、年金に上乗せして支給される制度です。
受給中の基礎年金によって、老齢年金生活者支援給付金・障害年金生活者支援給付金・遺族年金生活者支援給付金が支給されます。
それぞれ支給要件が定められており、老齢基礎年金を受給している方の場合は、65歳以上の老齢基礎年金の受給者であること、同一世帯の全員が市町村民税非課税であることなどの要件があります。
さらに、前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が、定められた基準以下でなければなりません。
なお、この基準を超えた場合でも、一定額までは「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。基準を少し上回るだけで何も受け取れなくなるわけではありません。
障害基礎年金や遺族基礎年金を受給している方にも、それぞれ支給要件があります。
2026年度に新たに支給対象となる方には、日本年金機構から2026年9月1日以降、年金生活者支援給付金請求書が順次送付されています。
請求書が届いた際は、必要事項を記入して速やかに提出しましょう。令和9年1月4日(必着)までに提出すれば、令和8年10月分にさかのぼって受け取れます。
この期限を過ぎると、さかのぼっての支給は受けられず、請求した月の翌月分からの支給に切り替わります。たとえば令和9年1月中に提出した場合は、令和8年10月分から令和9年1月分までの4か月分が受け取れません。
提出が遅れるほど、受け取れない月数はさらに増えていきます。届いたら早めに手続きをしましょう。
すでに受給している方は、原則として請求手続きは必要ありません。しかし、世帯構成や所得の変化によって新たに対象となった場合などには、自分で請求する必要があるケースもあります。
2.2 住居確保給付金
離職や収入の減少によって家賃の支払いが難しくなった場合には、住居確保給付金を利用できる可能性があります。
住居確保給付金とは、市区町村ごとに定める額を上限に、原則として家賃の実費額を3か月間(2回まで延長可能で最大9か月間)支給する制度です。
対象となるのは、収入や資産が一定額以下であることや、求職活動などの要件を満たしている方です。
会社を退職して収入が大幅に減少した方だけでなく、勤務先の都合により勤務時間が減少し、収入が減った方なども対象になる可能性があります。
申請先は、自治体の自立相談支援機関です。家賃を滞納してからではなく、支払いが難しくなりそうな段階で早めに相談しましょう。
2.3 職業訓練受講給付金
雇用保険の失業給付を受けられない方や、働いていても収入が少ない方などは、求職者支援制度を利用できる場合があります。
職業訓練受講給付金とは、一定の要件を満たして職業訓練を受講する場合、月10万円の職業訓練受講手当を受給しながら、受講料無料で職業訓練を受けられる制度です。通所に必要な費用として通所手当(月上限4万2500円)が支給される場合もあります。
家族と別居して訓練施設に通う場合には、寄宿手当として月1万700円が支給されることもあります。なお、テキスト代などは自己負担です。
制度の対象となるのは、雇用保険に加入していなかった離職者や、雇用保険の給付を受け終わった方、フリーランス・自営業を廃業した方などです。在職中の方も一定の収入要件を満たせば対象になる可能性があります。
給付金の支給要件としては、本人収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯全体の金融資産が300万円以下であることなどが定められています。訓練実施日の8割以上に出席することも必要です。
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