3. 遺族年金は判定に使う所得に含まれない
要件を見るときに見落としやすい点です。
3.1 非課税収入は所得に入らない
日本年金機構は、遺族年金等の非課税収入は年金生活者支援給付金の判定に用いる所得には含まれないとしています。
遺族基礎年金や遺族厚生年金には所得税も住民税もかかりません。その分は所得として数えられないということです。
3.2 遺族基礎年金の額は要件に影響しない
つまり、遺族基礎年金を年133万4900円受け取っていても、その133万4900円は479万4000円の基準に対しては数えられません。
判定に使われるのは給与や事業の収入など、課税される所得です。年金額が大きいから対象外だろうという見方は当てはまりません。
3.3 働いて収入がある場合は基準を見る
一方で、働いて給与収入がある場合はその分が所得として計算されます。基準額は扶養親族がいなければ479万4000円ですので、多くの世帯は範囲に入ることになります。
前年の所得額がいくらだったかは、市区町村の課税証明書などで確認できます。
4. 遺族年金生活者支援給付金は遺族基礎年金とは別の制度
年金との関係も押さえておきます。
4.1 遺族厚生年金だけでは対象にならない
支給要件の1つ目は遺族基礎年金を受けていることです。遺族厚生年金だけを受けている方は対象になりません。
遺族基礎年金は子のある配偶者または子が受け取るものですので、末の子が18歳になった年度の3月31日を過ぎると権利がなくなります(子が複数いる場合、上の子が年度末を迎えても、下の子が要件を満たしていれば受給権は続きます)。そのときは給付金も終わります。
4.2 年金と同じ口座に年金とは別途振り込まれる
日本年金機構は、給付金を年金と同じ受取口座に年金とは別途支払うとしています。支払は偶数月の15日で、15日が土日祝日の場合はその直前の営業日です。
月額5620円ですので2か月分で1万1240円です。年金の振込とは別の入金になりますので、通帳を見るときは2つの入金があるかを確かめてください。
4.3 障害基礎年金を受けている方には障害年金生活者支援給付金がある
遺族基礎年金ではなく障害基礎年金を受けている場合は、障害年金生活者支援給付金の対象になります。所得の基準は遺族の場合と同じ考え方です。
どちらの年金を受けているかで見る制度が変わりますので、自分がどれに当たるかを先に確かめてください。
5. 確かめておきたい3つのこと
受け取れるかどうかを判断するための手立てをまとめます。
5.1 遺族基礎年金を受けているかを確認する
年金証書や年金額の通知書に遺族基礎年金の記載があるかを見てください。遺族厚生年金だけの場合は対象外です。
5.2 前年の所得額を確認する
基準は扶養親族がいなければ479万4000円、1人なら517万4000円です。遺族年金は所得に含まれませんので、それ以外の収入で判定されます。
扶養親族の区分によって加算額が38万円・48万円・63万円と変わりますので、子の年齢も確認しておきましょう。
5.3 手続きは年金事務所で相談する
給付金を受け取るには認定請求の手続きが必要です。窓口は年金事務所または街角の年金相談センターが基本ですが、亡くなった方が国民年金第1号被保険者(自営業者など)だった場合は、住所地の市区町村役場でも手続きができます。
遺族基礎年金を新規に請求する場合は、年金の請求とあわせて相談できます。窓口は死亡時の被保険者の種別によって変わりますので、判定に迷うときも窓口で確認してください。
6. 上乗せされるお金がある
遺族年金生活者支援給付金は月額5620円で、年間6万7440円になります。支給要件は遺族基礎年金を受けていることと、前年の所得額が「479万4000円+扶養親族の数×38万円」以下であることの2つです。
子のある配偶者が遺族基礎年金を受け取っている世帯では、遺族基礎年金と合わせた合計額は子1人で年115万8540円、子2人で140万2340円、子3人で148万3640円です(遺族基礎年金の基本額を昭和31年4月2日以後生まれの84万7300円とした場合。昭和31年4月1日以前生まれの方は基本額が84万4900円になるため、合計額は2400円少なくなります)。配偶者がおらず子だけで受け取る場合は、給付金の5620円だけでなく遺族基礎年金本体も子の人数で均等に分けた額が、それぞれの子に支払われます。
遺族年金等の非課税収入は判定に用いる所得には含まれません。年金額の大きさで判断せず、それ以外の所得で基準額を超えていないかを見てください。