3. 「俸給額」と「給与月額」は別のもの

2つの数字が出てきますので、違いを押さえておきます。

3.1 俸給は基本給にあたる部分

経験年数別の表に出ている数字は平均俸給額です。全俸給表の平均は35万5832円でした。

一方、平均給与月額は43万9356円です。俸給に地域手当や扶養手当などの諸手当が加わった額になります。

3.2 集計の対象人数も違う

平均給与月額の24万8729人に対し、経験年数別の平均俸給額は24万8199人が対象です。差の530人は特定任期付職員と任期付研究員で、経験年数別の表には含まれていません。

2つの数字を引き算して手当の額を出すことはできますが、対象がわずかに違う点は知っておいたほうが確かです。

3.3 基準日も違う

給与の集計は令和8年4月1日現在ですが、経験年数の分類は令和8年1月15日現在の経験年数によるとされています。

同じ報告書のなかでも基準日が分かれていますので、他の統計と比べるときは注意が必要です。

4. 学歴別では修士課程修了等がいちばん低い

学歴別の数字は読み方に気をつけたいところです。

4.1 高校卒が36万543円で最も高い

全俸給表の平均俸給額を学歴別に見ると、高校卒が36万543円、大学卒が35万5855円、中学卒が34万7367円、短大卒が34万4303円、修士課程修了等が31万1531円です。

最も高いのは高校卒で、最も低いのが修士課程修了等になっています。

4.2 経験年数の長さが違うため

これは学歴によって俸給が低くなるという話ではありません。修士課程修了等は経験年数30年以上の人員が0人で、1年未満に220人が入っています。

経験年数の短い方が中心の集団ですので、平均が低く出ます。高校卒は35年以上に2万1374人がいて、経験の長い方が多く含まれています。

4.3 同じ経験年数で比べると順序が変わる

経験年数をそろえて見ると形が変わります。1年未満では修士課程修了等が26万2219円で、高校卒の21万7940円より高くなっています。

35年以上では大学卒が46万8715円で、高校卒の42万5358円を上回ります。平均だけを見て順序を判断しないほうが確かです。

学歴別の平均は経験年数の構成によって上下します2/2

学歴別の平均は経験年数の構成によって上下します

出所:人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」をもとにLIMO編集部作成

5. 読むときに押さえておきたい3つのこと

この調査を自分の感覚と比べるための手立てをまとめます。

5.1 俸給額と給与月額のどちらを見ているか確かめる

経験年数別や学歴別の表に出ているのは俸給額です。手取りに近い感覚で見たいときは、諸手当を含む平均給与月額43万9356円のほうを見ます。

5.2 平均は集団の構成で動くと知っておく

学歴別の順序が入れ替わるように、平均は誰が多く含まれているかで上下します。比べるときは経験年数や年齢をそろえるのが確かです。

5.3 地方公務員とは別の調査になる

この調査は人事院が国家公務員を対象に行うものです。地方公務員の給与は総務省の地方公務員給与実態調査で公表されており、調査年も対象も別になります。

どちらの数字を見ているのかを分けておくと、混同を避けられます。

6. 経験年数で19万円あまりの差がある

人事院が2026年9月4日に公表した令和8年国家公務員給与等実態調査によると、俸給表適用職員の平均給与月額は43万9356円で、前年より1万1538円増えました。平均年齢は41.7歳、人数は24万8729人です。

経験年数階層別の平均俸給額は、1年未満が23万9811円、20年以上25年未満が38万7866円、35年以上が43万2550円です。1年未満と35年以上では19万2739円の差があります。

学歴別では修士課程修了等が最も低く出ますが、これは経験年数の短い方が中心のためです。平均を比べるときは経験年数をそろえて見ておきましょう。

参考資料

中本 智恵