9月に入り、今年も残り4分の1。だんだんと2026年も終わりに向かい始め、1年を振り返る方もなかにはいるのではないでしょうか。

「老後は2000万円必要」という言葉を、一度は耳にした方もいるでしょう。厚生労働省の国民生活基礎調査(2025年)では、生活が「苦しい」と答えた世帯が全体で55.4%にのぼりました。

ただ、必要な金額は世帯によって大きく異なります。2000万円という数字をそのまま当てはめるより、「わが家にとっての必要額」を考えるほうが、ずっと役に立ちます。

この記事では、40〜60歳代・二人以上世帯の平均と中央値を確認し、老後資金の必要額を自分ごととして見積もる方法を、元証券会社員の視点でみていきます。

宮野 茉莉子

ご相談でよく聞かれたのが「結局、2000万円あればいいの?」という質問でした。でも本当に必要なのは、その数字ではなく、わが家の不足額です。

まずは同世代の数字を、必要額を考える出発点にしてみましょう。

ココがポイント
  • 40〜60歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値はいくらか
  • 「2000万円以上」に届く世帯はどれくらいか
  • わが家の老後資金の必要額を見積もる

1. 【平均貯蓄額】40歳代、50歳代、60歳代の「二人以上世帯」中央値もいくらか見る

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、二人以上世帯の金融資産保有額は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 40歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

  • 40歳代二人以上世帯:平均1486万円/中央値500万円

2000万円という目標が、まだ遠くに見えやすい年代です。

1.2 50歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

  • 50歳代二人以上世帯:平均1908万円/中央値700万円

退職金の見込みも加わり、目標が現実味を帯びてくる年代です。

1.3 60歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

  • 60歳代二人以上世帯:平均2683万円/中央値1400万円

退職金を経て、蓄えが最も厚くなる世帯が増える年代です。

1.4 金額帯でみる、「2000万円以上」に届く世帯

「2000万円以上」を持つ世帯の割合は、40歳代21.3%、50歳代26.9%、60歳代39.6%と、年代とともに増えていきます。60歳代でも4割ほどで、全世帯が届く数字ではないことがわかります。

裏を返せば、多くの世帯は2000万円に届かないまま老後を迎えます。だからこそ大切なのは、その金額に一喜一憂せず、わが家に本当に必要な額を見積もることです。

宮野 茉莉子
グラフで見てもわかる通り、金額帯ごとにみれば個人差は大きいもの。大切なのは自分は今どの位置にいるかを確認し、次の目標金額や対策を具体的に考えることです。また、老後2000万円は、あくまで一つの目安でこちらも個人差が大きくなります。次のページでは、わが家にとっての必要額をどう見積もるかをみていきます。