3. 世帯数と資産総額はどう動いてきたのか
純金融資産1億円以上を持つ世帯について、世帯数と資産総額の推移を確認します。
- 2005年:86万5000世帯・213兆円
- 2007年:90万3000世帯・254兆円
- 2009年:84万5000世帯・195兆円
- 2011年:81万世帯・188兆円
- 2013年:100万7000世帯・241兆円
- 2015年:121万7000世帯・272兆円
- 2017年:126万7000世帯・299兆円
- 2019年:132万7000世帯・333兆円
- 2021年:148万5000世帯・364兆円
- 2023年:165万3000世帯・469兆円
世帯数と資産総額は、世界金融危機や東日本大震災の影響で一時的に落ち込みましたが、長期では増加しています。
2021年から2023年にかけての伸びはとくに大きく、株価上昇や円安による資産価値の増大が背景にあると同レポートは指摘しています。
3.1 2023年の世帯数と純金融資産保有規模
- 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯・135兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯・334兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯・333兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯・282兆円
- マス層(3000万円未満):4424万7000世帯・711兆円
出所:LIMO「資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】」
2つの層が保有する資産の合計は前回調査から約3割増えて469兆円です。全世帯の保有資産額の26.1%がここに集まっている計算になります。
4. 「いつの間にか富裕層」と「スーパーパワーファミリー」
この調査では「いつの間にか富裕層」「スーパーパワーファミリー」という新しいタイプの登場が指摘されています。
4.1 2つのタイプの特徴
「いつの間にか富裕層」は、株式投資などを通じて富裕層に入った40歳代後半から50歳代の一般の会社員が中心の層です。
周囲に任せきりでリスク理解が不十分な人が一定数いるほか、知識がある人でも、急増した資産の分散投資や富裕層向け商品に関する知識は不足しがちとされています。
そして「スーパーパワーファミリー」は、都市部に住む年収3000万円を超える共働き世帯に代表される層です。年代別の平均貯蓄額と比べると、その水準の高さがよく分かります。
20歳代から30歳代は教育費や住宅ローンの支払いに追われますが、昇格・昇給によって40歳前後から資産が急に増え、50歳前後で富裕層に届く可能性が高いとされています。
どちらにも共通するのは、相続や親の資産に頼ることなく、仕事でのキャリアアップや日々の着実な資産形成の取り組みを通じて、自らの力で富裕層へと到達している点です。
5. 世帯年収ごとに見た金融資産の内訳
年収別の金融資産保有額の詳細は、LIMOの記事「【最新データ】日本の富裕層の割合は?年代別の平均貯蓄額と年収別データから見る資産形成の最適解」から要点を引用して確認します。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和7年)」によると、世帯年収別の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)は、全国平均1940万円に対し、収入はない634万円、300万円未満858万円、300~500万円未満1431万円、500~750万円未満1755万円、750~1000万円未満2222万円、1000~1200万円未満2725万円、1200万円以上5635万円。年収が上がるほど金融資産の保有額も大きくなる傾向が読み取れます。
出所:LIMO「【最新データ】日本の富裕層の割合は?年代別の平均貯蓄額と年収別データから見る資産形成の最適解」
6. 配偶者に遺すときの軽減も知っておく
ここまで、配偶者の税額の軽減と、富裕層の定義と世帯数、新しいタイプの富裕層、世帯年収別の金融資産内訳を見てきました。
配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が「1億6千万円」か「配偶者の法定相続分相当額」のどちらか多い金額までは、配偶者に相続税はかかりません。
ただし配偶者が実際に取得した財産を基に計算されるため、相続税の申告期限までに分割されていない財産は対象になりません。
「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付したうえで、申告期限から3年以内に分割したときは対象になります。
富裕層のほうを見ると、純金融資産1億円以上の世帯は165万3000世帯で全世帯の約3%。2021年から2023年の伸びがとくに大きくなっていました。
適用には申告が必要です。手続きの詳細は税務署や税理士に確認してみてください。
参考資料
- 国税庁タックスアンサー「No.4158 配偶者の税額の軽減」
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- LIMO「【最新データ】日本の富裕層の割合は?年代別の平均貯蓄額と年収別データから見る資産形成の最適解」
- LIMO「資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】」
LIMO編集部ウェルスマネジメント班