動画配信サービスの普及やスマートフォンなどのデジタル端末の浸透に伴い、私たちが情報やコンテンツに触れるメディア環境は大きな変革期を迎えています。
2026年に総務省が公表した最新データによると、地上波テレビや衛星放送などの放送市場全体では売上高が減少傾向を見せる一方で、インターネット広告をはじめとするデジタル領域の広告費が急速な拡大を続けています。
かつて広告やコンテンツ流通の中心であったテレビメディアと、成長を続けるインターネットメディアのシェア逆転は、どのような局面を迎えているのでしょうか。
本記事では、放送事業者の売上高推移や経営状況、さらに国内外で大きく変化する広告市場の現在地について分かりやすく解説します。
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1. 放送事業者の売上高推移と二元体制の現状
日本の放送事業は、受信料収入を経営の基盤とするNHKと、広告収入や有料放送の料金収入を基盤とする民間放送事業者による二元体制を中心に運営されています。
また、教育のための放送を行う放送大学学園もこの体制の一角を担っています。
放送事業収入および放送事業外収入を含めた放送事業者全体の売上高を見ると、2022年度から減少傾向が続いています。
2024年度の市場規模は3兆6042億円となり、前年度比で0.6%の減少となりました。
2. 地上波・衛星・CATV・NHKの業績内訳と広告費
2024年度の売上高を業態別に確認すると、地上系民間基幹放送事業者の売上高総計は2兆1977億円(前年度比1.8%増)とプラスに転じたものの、その他の主要セクターでは減収傾向が際立っています。
衛星系民間放送事業者の売上高総計は3200億円(前年度比3.5%減)、ケーブルテレビ事業者は4740億円(前年度比1.1%減)となりました。
さらに、NHKの経常事業収入は6125億円となり、前年度比6.7%の減少となっています。
地上系民間基幹放送事業者の広告費に関しては、2025年時点で1兆7486億円に達しています。
このうち、テレビジョン放送事業に係るものが1兆6333億円、ラジオ放送事業に係るものが1153億円を占めています。