4. 「手取りで考える」習慣
同じ100万円を運用するにしても、期間も税引き後の受取額も違う商品を並べて比べるには、表面利率のランキングだけでは判断材料が足りません。
4.1 表面利率のランキングだけで選ばない
新窓販10年の表面利率2.7%は、個人向け国債より高く見えます。さらに購入価格が98円16銭と額面を下回っているため、満期時の差益も加わって実質的な利回り(単利)は約2.94%まで上がり、表面利率の数字以上にお得になります。
反対に、新窓販2年は表面利率が1.7%ですが、購入価格が100円05銭と額面よりわずかに高いため、実質的な利回りは約1.67%に下がります。このように表面利率の数字だけで比較せず、購入価格も含めた実質的な利回りや手取り額で判断することが大切です。
5. 試算に使わなかった前提と注意点
今回の試算には、いくつか前提を置いています。実際に検討する際は、次の点にも注意してみてください。
5.1 変動10年は今回の利率が続くと仮定した目安
個人向け国債の変動10年は、半年ごとに適用利率が見直されます。今回の試算は、初回の利率1.95%が10年間続いたと仮定した場合の目安であり、実際の受取額は今後の金利動向によって変わります。
5.2 中途換金すると受け取れる金額は変わる
今回の試算は、いずれも満期まで保有した場合の金額です。個人向け国債を発行から1年後に中途換金すると、直前2回分の利子相当額が差し引かれます。新窓販国債を満期前に市場で売却する場合は、そのときの時価次第で、今回の試算より受取額が増えることも減ることもあります。
6. まとめ
9月募集分の金利は、個人向け国債が変動10年1.95%・固定5年2.24%・固定3年1.96%、新窓販国債が10年2.7%・2年1.7%でした(5年は9月2日時点で未公表です)。
100万円を満期まで保有した場合の受取利息は、税引き前の数字だけでなく税引き後の金額まで確認すると、商品ごとの違いがより具体的に見えてきます。特に新窓販国債は、購入価格が額面と異なる分を踏まえて判断することが大切です。
実際に購入する際は、税引き後の受取額や中途換金の条件まで含めて、お近くの金融機関に相談してみてください。
参考資料
和田 直子