3. 集めた支援金は児童手当の拡充など子育て給付に充てられる

支援金は負担の面だけで語られがちですが、使いみちは法律で子育て世帯向けの給付に限定されています。こども家庭庁の資料から、主な使途を確認しましょう。

3.1 児童手当は所得制限の撤廃と高校生年代までの延長が実現した

使途の中心は児童手当です。2024年10月分から所得制限が撤廃され、支給期間は高校生年代まで延長されました。

  • 3歳未満(第1子・第2子):月額1万5000円
  • 3歳〜高校生年代(第1子・第2子):月額1万円
  • 第3子以降:年齢を問わず月額3万円

支給回数も年3回から年6回に増え、拡充分の財源に支援金が充てられています。

3.2 妊娠・出産から育児期までの新しい給付の財源にもなる

児童手当のほかにも、支援金は次のような給付に充てられます。

  • 妊婦のための支援給付:妊娠・出産時に10万円相当を支給(2025年4月に制度化)
  • こども誰でも通園制度(乳児等のための支援給付):親の就労を問わず時間単位で通園できる仕組み(2026年4月に給付化)
  • 出生後休業支援給付・育児時短就業給付:育休の手取り10割相当や、時短勤務中の賃金の10%を支給(2025年4月に創設)
  • 国民年金第1号被保険者の育児期間中の保険料免除:2026年10月に開始予定

こども家庭庁の試算によると、支援金制度の創設による給付の改善額は、こども1人当たりの合計で約146万円(高校生年代までの累計)とされています。

4. 負担額を見るときに押さえておきたい前提が2つある

支援金の金額を確認するとき、試算の数字をそのまま自分に当てはめる前に、知っておきたい前提があります。

4.1 試算どおりの金額になるとは限らず、低所得世帯には軽減がある

被用者保険の年収別試算は、一定の仮定を置いた機械的な計算です。国民健康保険と後期高齢者医療制度では、実際の金額は各自治体・広域連合の条例で決まるため、地域によって差が生じる場合があります。

また、国民健康保険と後期高齢者医療制度では、医療保険料と同じように所得に応じた軽減措置(7割・5割・2割)が支援金にも設けられています。前述のとおり、国民健康保険では高校生年代までの子どもの均等割分は全額軽減されます。

4.2 「実質的な負担は生じない」という説明には歳出改革の前提がある

こども家庭庁は、社会保障の歳出改革などによって保険料負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築するため、「支援金導入に伴う実質的な負担は生じない」と説明しています。

これは国全体で見た社会保障負担率の話であり、個々の保険料の明細では、支援金の分が上乗せされて表示されます。家計の管理では、実際に引かれている金額をそのまま把握しておくのが確実です。

5. まとめにかえて

子ども・子育て支援金は、2026年4月分から医療保険料に上乗せして徴収が始まった、少子化対策の財源となる国の制度です。

令和8年度の目安は、会社員なら年収の約0.115%(年収400万円で月384円)、国民健康保険や後期高齢者医療制度では所得に応じて月50円〜数百円程度で、令和10年度にかけて段階的に増えていきます。

まずは保険料の決定通知書や給与明細で自分の負担額を確認してみましょう。そのうえで、子育て中の方は児童手当や妊婦のための支援給付など、拡充された給付を漏れなく受け取れているかもあわせて確認しておきたいところです。

参考資料

和田 直子