物価高への支援策が話題になるたび、「住民税非課税世帯」という言葉を目にする方は多いと思います。
そのたびに、住民税を納めている世帯の方からは「うちは何も対象にならない」という声が聞こえてきます。
しかし、実際には住民税を納めている世帯でも申請できる制度は数多くあります。しかも2026年8月1日には、雇用保険の給付額が改定されたばかりです。
本記事では、年度後半に動いた数字を確認したうえで、課税世帯でも申請できる12の制度を、継続して受け取れるもの、一度にまとまった額を受け取れるもの、負担そのものを軽くするものに分けて整理します。
1. 【2026年8月改定】年度後半に静かに変わった数字を確認する
制度の一覧に入る前に、この年度後半に何が変わったのかを押さえておきます。雇用保険の給付額は毎年8月1日に見直されており、2026年も改定が行われました。
この改定の中身を分解してみると、どの層に手厚くなったのかがはっきり見えてきます。
1.1 失業給付の下限は、上限の2倍以上のペースで上がった
厚生労働省は令和8年(2026年)7月31日、雇用保険の基本手当日額を8月1日から変更すると公表しました。
改定の理由は、令和7年度の平均給与額が令和6年度と比べて約2.7%上昇したことと、最低賃金日額の適用によるものとされています。
基本手当日額の上限は、離職時の年齢に応じて次のように引き上げられました。
- 30歳未満:7255円→7450円
- 30歳以上45歳未満:8055円→8270円
- 45歳以上60歳未満:8870円→9110円
- 60歳以上65歳未満:7623円→7830円
一方、下限額は2411円から2562円になりました。
ここで伸び率を計算してみると、違いが見えてきます。
上限額の伸びは4つの区分すべてで2.67〜2.72%に収まっており、平均給与の伸びである2.7%とほぼ一致します。ところが下限額の伸びは6.26%で、上限の2倍を超えています。
下限額は最低賃金日額に給付率80%を乗じて計算されており、令和8年4月1日時点で適用されている地域別最低賃金(令和7年度改定分)の全国加重平均額1121円が使われています。
したがって、近年の最低賃金の引き上げが、そのまま給付の下限に反映された形です。
金額に直すとどうなるでしょうか。給付日数90日で受け取る場合、下限額の人は21万6990円から23万580円となり、1万3590円増えます。最低額が適用される人ほど、引き上げ率が大きくなっています。
1.2 支援の話題は非課税世帯に偏りがち
こうした改定は、基本手当の受給要件を満たす人について、住民税の課税・非課税にかかわらず改定後の金額が適用されます。
ただ、支援策の話題として取り上げられやすいのは、やはり非課税世帯向けの制度です。住民税非課税世帯や一定の所得基準を下回る世帯では、次のような負担軽減措置などの対象になる場合があります。
- 国民健康保険料の減額
- 介護保険料の負担軽減
- 国民年金保険料の免除・納付猶予
- 高額療養費の自己負担上限額引き下げ
- NHK受信料の免除
- 0〜2歳児の保育料無償化
- 大学など高等教育の修学支援
- 自治体独自の支援策
これだけ並ぶと、課税世帯には何もないように見えてしまいます。しかし実際には、住民税を納めているかどうかを条件にしていない制度のほうが、数としてはずっと多いのです。
ここからは、その具体例を挙げていきます。