障害基礎年金は、国民年金の保険料を納めていた期間などに一定の条件を満たすことで受け取れる年金です。
ところが、かつて国民年金が任意加入だった時代に加入していなかったために、障害の状態になっても障害基礎年金を受け取れない人がいます。こうした人を対象とした制度が特別障害給付金で、令和8年度の月額は1級相当が5万8650円、2級相当が4万6920円です。
本記事では、特別障害給付金の対象になる人と給付額、所得による支給制限について解説していきます。
- 特別障害給付金は令和8年度の月額が1級相当で5万8650円、2級相当で4万6920円である
- 対象は国民年金が任意加入だった時代に加入していなかった学生や被扶養配偶者
- 請求は65歳に達する日の前日までに、住所地の市区町村役場で行う
1. そもそも「特別障害給付金」とは?障害基礎年金を受け取れない人への福祉的な給付
特別障害給付金は、平成17年4月に始まった制度です。国民年金の任意加入期間に加入していなかったことで障害基礎年金を受け取れない人に対し、国民年金制度の発展の過程を踏まえた福祉的な措置として給付金を支給します。
年金ではなく給付金という位置づけですが、請求の窓口は住所地の市区町村役場で、認定は日本年金機構が行います。
制度の背景にあるのは、国民年金の加入義務の範囲が時代によって変わってきたという経緯です。いまは20歳以上の学生も国民年金に加入することになっていますが、かつては任意加入でした。
2. 対象になるのはどんな人?2つの類型に分かれる
日本年金機構の案内より、特別障害給付金の対象を確認しましょう。
2.1 平成3年3月以前に任意加入対象だった学生
1つめの類型は学生です。平成3年3月以前は、大学や短大、高等学校、高等専門学校の昼間部に通う学生は国民年金への加入が任意でした。
この時期に任意加入していない状態で障害を負い、いまも障害基礎年金1級または2級に相当する障害の状態にある人が対象になります。
2.2 昭和61年3月以前に任意加入対象だった被扶養配偶者
2つめの類型は、会社員や公務員に扶養されていた配偶者です。昭和61年3月以前は、厚生年金保険や共済組合の加入者の配偶者も国民年金への加入が任意でした。
昭和61年4月に基礎年金制度が導入され、これらの配偶者は第3号被保険者として国民年金に加入することになりましたが、それ以前は任意加入だったため、加入していない期間に障害を負った人が生じました。
2.3 いずれも請求は65歳到達前日までに行う
特別障害給付金の請求は、65歳に達する日の前日までに行う必要があります。すでに障害基礎年金や障害厚生年金などを受け取れる場合は、特別障害給付金の対象になりません。
3. いくら受け取れる?令和8年度は1級相当で月5万8650円
令和8年度の給付額を確認しましょう。給付金額は物価の変動に応じて毎年度改定されます。
令和8年度の給付額と所得による制限は次のとおりです。
- 1級相当:月額5万8650円
- 2級相当:月額4万6920円
- 前年の所得が376万1000円を超える場合:給付金の2分の1が支給停止
- 前年の所得が479万4000円を超える場合:給付金の全額が支給停止
1級相当の場合、年額では70万3800円になります。支給は請求した月の翌月分から始まるため、請求が遅れた分は原則としてさかのぼって受け取れません。
学生時代や結婚直後に国民年金に加入していない期間があることは少なくないと考えられます。当時は任意加入だったため、本人に落ち度がなくても年金を受け取れない状態になっている場合があります。
特別障害給付金は、その隙間を埋めるために設けられた制度です。65歳到達前日までという請求期限があるので、該当しそうな心当たりがあれば、年金の記録を確認したうえで市区町村の窓口に相談してみてください。
