70歳代・二人以上世帯の貯蓄額は、平均2416万円、中央値1178万円です。
この貯蓄を子や孫の住宅資金にあてる場合、贈与税がかからない枠が用意されています。
令和8年12月31日までの贈与なら、省エネ等住宅で1000万円まで、それ以外の住宅で500万円までが非課税になります。
この記事では、住宅取得等資金の贈与の非課税枠と、70歳代の貯蓄額、公的年金の平均月額、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支について解説します。
1. 住宅取得等資金の贈与、省エネ等住宅なら1000万円まで非課税
子や孫が家を買うときに資金を出す場面もあります。
国税庁によると、令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得または増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合、一定の要件を満たすときは非課税限度額までの金額について贈与税が非課税となります。
非課税限度額は、贈与を受けた人ごとに省エネ等住宅の場合は1000万円まで、それ以外の住宅の場合は500万円までです。
1.1 省エネ等住宅と、それ以外で限度額が2倍違う
どちらに当てはまるかで金額が大きく変わります。
「省エネ等住宅」とは、家屋の区分に応じて省エネルギー性能、耐震性能またはバリアフリー性能のいずれかの基準に適合する住宅用の家屋であることについて、住宅性能証明書など一定の書類を贈与税の申告書に添付することにより証明されたものをいいます。
新築の場合は断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上、耐震等級2以上または免震建築物、高齢者等配慮対策等級3以上のいずれかが基準です。証明する書類が必要なので、事前に確認しておく必要があります。
1.2 受け取る側の年齢と所得にも条件がある
渡す側だけでなく、受け取る側にも要件が並びます。
受贈者は贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であること、その年の所得税に係る合計所得金額が2000万円以下であることなどが必要です。床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満の場合は1000万円以下となります。
さらに、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること、同日までにその家屋に居住することまたは同日後遅滞なく居住することが確実と見込まれることも求められます。
適用を受けるには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告書と一定の書類を提出する必要があります。要件が細かいので、税務署の相談窓口で確認してみてください。
なお、70歳代の貯蓄額や65歳以上世帯の家計収支に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
2. 70歳代の貯蓄、平均と中央値で1200万円あまりの差
70歳代がどれくらい貯めているのかを確かめます。使う資料はJ-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」の「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」です。
※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
平均貯蓄額は2416万円です。この数字は資産の多い層に引き上げられているため、多くの世帯の実感とは離れます。
目安として使いやすい中央値は1178万円で、平均との差は1200万円あまりです。
世帯の分布は、LIMOの記事「【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!」の内容を引用して確かめます。
- 金融資産非保有:10.9%
- 100万円未満:4.5%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:2.9%
- 500~700万円未満:6.4%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:11.1%
- 1500~2000万円未満:6.7%
- 2000~3000万円未満:12.3%
- 3000万円以上:25.2%
- 無回答:0.6%
出所:LIMO「【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!」
金融資産を持たない世帯が10.9%、3000万円以上の世帯が25.2%です。両端に世帯が分かれている状態といえます。
少ない側は100万円未満4.5%、100~200万円未満5.1%、200~300万円未満3.7%。多い側は1000~1500万円未満11.1%、1500~2000万円未満6.7%、2000~3000万円未満12.3%となっています。
差が生まれる要因は退職金の有無、現役時代の収入、相続、健康状態などです。年金の額も加入状況で変わるため、年金だけでは足りない世帯も出てきます。
そこで、住まいや資金の受け渡しに関する制度も知っておきたいところです。使える枠を先に把握しておけば、選べる手が増えます。


