金融機関の統廃合や引っ越しをきっかけに、年金の受取口座を変えたくなることがあります。

ただし変更はすぐに反映されません。日本年金機構は「次の年金の支払日の1カ月以上前までには手続きをしてください」と案内しています。

指定できる口座にも条件があり、年金は貯蓄預金口座では受け取れません。名義のフリガナが記録と違っていても振込ができません。

この記事では、受取口座を変えるときの手続きと注意点、そして公的年金の仕組みと年金額の目安について解説します。

なお、公的年金の仕組みや平均受給額、ライフコース別の年金額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

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1. 年金の受取口座を変えるときの手続きと3つの注意点

金融機関の統廃合や引っ越しで、年金の受取口座を変えたい場面があります。

日本年金機構によると、必要な届書は「年金受給権者 受取機関変更届」で、提出先はお近くの年金事務所または街角の年金相談センターです。金融機関の証明欄への記入が必要ですが、通帳を持参するか、コピーを添付する場合は不要とされています。

なお公金受取口座への変更の場合は、電子申請も利用できます。

1.1 次の支払日の1カ月以上前までが目安

変更はすぐに反映されるわけではありません。

日本年金機構は「次の年金の支払日の1カ月以上前までには手続きをしてください」と案内しています。年金の支払日は偶数月の15日ですので、直前に出しても次回の振込には間に合わない可能性があります。

年金の受取口座を変えるときの手続きと3つの注意点1/4

年金受給権者受取機関変更届の提出先と期限の目安、貯蓄預金では受け取れないこと、フリガナの相違で振込できないこと、旧口座を残しておくことを示した図

出所:日本年金機構「年金を受けている方が年金の受取機関や住所を変更するとき」をもとにLIMO編集部作成

1.2 貯蓄預金では受け取れず、フリガナが違うと振込できない

指定する口座にも条件があります。

まず、年金は貯蓄預金口座では受け取れません。また、日本年金機構で管理する年金受給者記録のフリガナと口座名義人のフリガナが相違していると、年金の振込ができないと注記されています。

そしてもうひとつ、変更後は新しい受取機関への初めての入金を確認するまで、旧口座はそのままにしておくことが勧められています。反映までに時間がかかる仕組みなので、古い口座を先に解約してしまわないよう気をつけたいところです。

2. 公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て

公的年金の基本的な仕組みは、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。これは、日本の年金制度が「1階」の国民年金(基礎年金)と、「2階」の厚生年金という2つの制度で構成されているためです。1階部分の国民年金は、原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入対象で、保険料は所得にかかわらず一律(2026年度は月額1万7920円)。保険料を40年間(480カ月)すべて納付すると、満額(2026年度は月額7万608円)を受け取ることができます。2階部分の厚生年金は、会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所に勤務し一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入します。保険料は収入に応じて変動し、受給額は加入していた期間や納付した保険料額によって個人差が生じます。

出所:LIMO「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

2026年度の年金支給日カレンダーも、LIMOの記事で確認できます。

3. 2026年度の年金額は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額

2026年度の年金額改定についても、LIMOの記事「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」から要点を引用して確認しておきましょう。

2026年度の年金額は、国民年金が前年度比1.9%増、厚生年金(報酬比例部分)が同2.0%増の増額改定となりました。国民年金(満額・1人分)は月額7万608円、厚生年金(モデル夫婦世帯・2人分)は月額23万7279円です。ただし「ねんきん定期便」などに記載された金額は税金や社会保険料が引かれる前の「額面」であるため、実際の手取り額はこれより少なくなります。

出所:LIMO「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」

4. 加入の歩み方で年金額はどう変わるか、5つのパターンで見る

加入期間や収入によって年金額はどう変わるのでしょうか。年収別の厚生年金の受給額の目安とあわせて確認していきましょう。

厚生労働省は2026年度の年金額改定の公表にあわせて、現役時代の加入状況や年収ごとの年金額の例を「多様なライフコースに応じた年金額」として公表しました。

「2026年度に65歳になる人の場合」として、加入履歴の類型と男女別に5つのパターンが示されています。

多様なライフコースに応じた年金額2/4

多様なライフコースに応じた年金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

 

4.1 男性で厚生年金の期間が中心のケース

年金月額:17万6793円

  • 平均厚生年金期間:39.8年
  • 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
  • 基礎年金:6万9951円
  • 厚生年金:10万6842円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.2 男性で国民年金(第1号被保険者)の期間が中心のケース

年金月額:6万3513円

  • 平均厚生年金期間:7.6年
  • 平均収入:36万4000円
  • 基礎年金:4万8896円
  • 厚生年金:1万4617円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.3 女性で厚生年金の期間が中心のケース

年金月額:13万4640円

  • 平均厚生年金期間:33.4年
  • 平均収入:35万6000円
  • 基礎年金:7万1881円
  • 厚生年金:6万2759円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.4 女性で国民年金(第1号被保険者)の期間が中心のケース

年金月額:6万1771円

  • 平均厚生年金期間:6.5年
  • 平均収入:25万1000円
  • 基礎年金:5万3119円
  • 厚生年金:8652円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

4.5 女性で国民年金(第3号被保険者)の期間が中心のケース

年金月額:7万8249円

  • 平均厚生年金期間:6.7年
  • 平均収入:26万3000円
  • 基礎年金:6万9016円
  • 厚生年金:9234円

出所:LIMO「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」

あくまで例ですが、厚生年金の加入期間が長く収入が高いほど、受け取る年金額は多くなる傾向が読み取れます。

国民年金と厚生年金のどちらを中心に加入してきたかも、年金の水準を大きく左右しています。