年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして受け取れるお金です。ただ、通帳を見ても年金と一緒になっているのか別なのか分かりにくいという声があります。
日本年金機構によると、給付金は年金と同じ受取口座に、年金とは別途支払われます。同じ日に2件の入金が並ぶ形です。
そして給付金には専用の振込通知書が届きます。この通知書には、保険料や税金を差し引く欄がありません。
この記事では、給付金がどう振り込まれるのか、なぜ差し引かれないのか、あわせて3種類の支給要件と給付基準額について解説します。
なお、年金生活者支援給付金の制度内容に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 年金生活者支援給付金は「年金とは別途」同じ口座へ
まず、振り込まれ方から見ておきましょう。
日本年金機構は、給付金の支払いについて、原則として年6回に分け、偶数月の15日に年金と同じ受取口座へ年金とは別途行うとしています。15日が土曜・日曜・祝日にあたる場合は、その直前の金融機関の営業日です。
つまり年金と給付金は1つにまとめられるのではなく、2件の入金として口座に入ります。各支払月には、原則としてその前月までの2か月分が支払われます。
1.1 振込通知書に天引きの欄がない
通知書も年金のものとは別に届きます。
「年金生活者支援給付金 振込通知書」は毎年6月に口座振込で給付金を受け取っている人へ送付され、記載されるのは振込先、給付金支払額、調整額、振込額の4項目です。保険料や税金を差し引く欄はありません。
一方の年金振込通知書には、年金支払額のほかに介護保険料額、後期高齢者医療保険料および国民健康保険料(税)、所得税額および復興特別所得税額、個人住民税額および森林環境税額が並び、最後に控除後振込額が載ります。
1.2 法律が「租税その他の公課」を課せないと定めている
差し引く欄がないのは、法律の定めによるものです。
年金生活者支援給付金の支給に関する法律の第33条は「租税その他の公課は、年金生活者支援給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない」と定めています。
日本年金機構も給付金の源泉徴収票は送付されないと案内しており、その理由として所得税および復興特別所得税の課税対象となっていないことを挙げています。年金については源泉徴収票が届くのに、給付金では届かないのはこのためです。
なお同じ法律の第32条では、給付金を受ける権利は譲り渡すことも担保に供することも差し押さえることもできないとされています。第30条では、権利を行使できる時から2年を経過すると時効によって消滅すると定められています。
2. 年金生活者支援給付金の支給要件
ここからは、誰が対象になるのかを確認します。
「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定基準以下となる場合に受け取ることができるお金です。
「年金生活者支援給付金」は3種類あります。それぞれ詳細を見ていきましょう。
2.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。(2026年10月からの支給要件)
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は92万6500円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は92万4100円以下(※2)
出所:LIMO「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」を基に、厚生労働省発表の最新基準(2026年10月分以降)に数値を修正して作成
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で82万6500円を超え92万6500円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で82万4100円を超え92万4100円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
2.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件
障害年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が491万8000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
出所:LIMO「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」
※ 障害年金等の非課税収入は除く
2.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件
遺族年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が491万8000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
出所:LIMO「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
3. 年金生活者支援給付金の給付基準額
金額は年度ごとに見直されます。
年金生活者支援給付金の金額は、物価変動に応じて年度ごとに見直されます。2026年度については前年度より+3.2%の増額改定となり、6月に支給される4月分の給付金から増額率が適用されます。
3.1 2026年度の支給金額は+3.2%の増額
- 老齢年金生活者支援給付金(基準額):5620円
- 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金:5620円
出所:LIMO「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されます。


