9月は、年金生活者支援給付金の請求書が届く月です。すでに年金を受け取っている人のうち、新たに対象となった人にはがき型の請求書が送られます。

この給付金は、所得が一定の基準以下であることが要件のひとつです。ただし、その「所得」の数え方には少し独特なところがあります。

公的年金等は控除前の収入金額で見る一方、給与所得などは控除後の所得で見ます。1つの式に2つの物差しが混ざっているため、取り違えると判定を誤りやすい部分です。

この記事では、判定に入る収入と入らない収入、そして2026年度の支給金額と支給要件について解説します。

なお、年金生活者支援給付金の制度内容に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
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1. 所得の判定に入るもの、入らないもの

まず、合計する中身から確かめていきます。

日本年金機構は、老齢年金生活者支援給付金の所得の要件を「前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額」と示しています。ここで足すものが2種類あることが、判定を難しくしている理由です。

1.1 公的年金等は「収入金額」、その他は「所得」

同じ式のなかで、見る単位が変わります。

公的年金等については、控除後の所得ではなく控除前の収入金額で見ます。一方、給与所得や事業所得といったその他のものは控除後の所得で見ます。

この違いを取り違えると、実際より大きい数字や小さい数字で判定してしまいます。手元の公的年金等の源泉徴収票で、支払金額の欄を見ておくと間違いが起きにくくなります。

公的年金等は控除前の収入金額、それ以外は控除後の所得。障害年金と遺族年金は合計に入らない1/3

年金生活者支援給付金の所得の判定に入るものと入らないものを、公的年金等の収入金額・その他の所得・障害年金・遺族年金に分けて並べた図

出所:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」をもとにLIMO編集部作成

1.2 障害年金と遺族年金は合計に入らない

年金を受け取っていても、判定に入らないものがあります。

日本年金機構は「障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません」と案内しています。遺族年金があるから対象外だろうと考えて請求を見送ると、受け取れたはずの給付金を取りこぼす可能性があります。

2. 年金生活者支援給付金の給付額はいくらか

ここからは金額を見ていきます。

年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得額が一定基準以下の年金生活者を支援するために、2019年にスタートした制度です。給付金は2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。

受給中の年金によって、次の3種類があり、それぞれに支給要件と支給額(基準額)が設定されています。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

2.1 2026年度の支給金額は3.2%の引き上げ

金額は年度ごとに見直されます。2026年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度から3.2%引き上げとなりました。

【2026年度】

  • 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5620円
  • 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円

出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

老齢年金生活者支援給付金については、この基準額に基づき保険料納付済期間等に応じて実際の給付額が計算されます。全員が基準額どおり受け取るわけではありません。

いずれも「月額」の金額です。支給日には2カ月分がまとめて、年金に上乗せされます。

3. 年金生活者支援給付金の支給要件

年金生活者支援給付金の支給要件を、種類ごとに確認しておきましょう。

「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」は、それぞれの年金(障害基礎年金もしくは遺族基礎年金)を受給中で、前年の所得が一定額以下の人が対象です。

この判定に用いる所得にも、障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。また、扶養親族などの数に応じて所得の基準額は上がります。

「老齢年金生活者支援給付金」については、本人の所得以外の要件がいくつか加わります。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の対象になる人

老齢年金生活者支援給付金の支給対象になるのは、下記の支給要件をすべて満たす人です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が、昭和31年4月2日以後に生まれた方は82万6500円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は82万4100円以下

3つ目の所得の基準は、生年月日で2つに分かれています。また、この基準額は令和8年10月分から引き上げられており、上記はいずれも引き上げ後の金額です。

そのうえで、「基準額をわずかに超えて給付対象外となる人」と「基準額ギリギリで給付対象となる人」との間に不公平感が生じないよう、前者には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

基準額を少し超えた人が対象になる補足的老齢年金生活者支援給付金

補足的老齢年金生活者支援給付金の所得要件は、以下のとおりです。こちらも令和8年10月分から引き上げられており、下記は引き上げ後の金額です。

  • 昭和31年4月2日以後に生まれた方:82万6500円を超え92万6500円以下
  • 昭和31年4月1日以前に生まれた方:82万4100円を超え92万4100円以下

所得が増えるにつれて、補足的老齢年金生活者支援給付金の給付額は減ります。