3. 生活保護の医療扶助は現物給付で医療機関に委託される
医療扶助だけが逆になっている理由を、条文から見ていきます。
3.1 医療保護施設や指定医療機関に委託する
第34条第2項は、現物給付のうち医療の給付は、医療保護施設を利用させ、または医療保護施設もしくは指定医療機関に委託して行うものとすると定めています。
本人にお金を渡すのではなく、医療機関に委託して医療そのものを提供する形です。
3.2 後発医薬品が原則とされている
第34条第3項では、医療を担当する医師または歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認めたものについては、原則として後発医薬品によりその給付を行うものとするとされています。
判断するのは医師または歯科医師で、その判断があった場合に後発医薬品が原則になるという書き方です。
3.3 受給の確認方法も条文にある
第34条第5項は、指定医療機関に委託して行う医療の給付を受けるときは、電子資格確認その他厚生労働省令で定める方法により、医療扶助を受給する被保護者であることの確認を受けるものとすると定めています。
4. 生活保護の生活扶助は一月分以内を限度に前渡しされる
支給のタイミングと渡し方も決められています。
4.1 前渡しが原則
第31条第2項は、生活扶助のための保護金品は、一月分以内を限度として前渡するものとすると定めています。ただしこれによりがたいときは、一月分をこえて前渡することができるとされています。
使ったあとに精算するのではなく、先に渡す形になっています。
4.2 世帯単位で計算して世帯主に交付する
第31条第3項では、居宅において生活扶助を行う場合の保護金品は、世帯単位に計算し、世帯主またはこれに準ずる者に対して交付するものとするとされています。
こちらにも但し書きがあり、これによりがたいときは被保護者に対して個々に交付することができます。
5. 生活保護の給付方法を読むときに気をつけたいこと
一次資料に当たる立場から、見方を挙げておきます。
5.1 原則と但し書きは必ずセットになっている
金銭給付が原則の扶助にも現物給付の但し書きがあり、現物給付が原則の医療扶助にも金銭給付の但し書きがあります。
どちらか一方に固定されているわけではありません。原則だけを覚えると、実際の運用と食い違うことがあります。
5.2 生活扶助は居宅で行うのが原則
第30条第1項は、生活扶助は被保護者の居宅において行うものとすると定めています。施設への入所は但し書きの扱いです。
さらに第2項で、その但し書きの規定は被保護者の意に反して入所または養護を強制することができるものと解釈してはならないとされています。
6. 生活保護は医療扶助だけが現物給付の原則
生活保護法では、第31条の生活扶助、第32条の教育扶助、第33条の住宅扶助が金銭給付によつて行うものとされています。
これに対して第34条の医療扶助は現物給付によつて行うものとされ、医療保護施設または指定医療機関に委託して給付されます。原則が逆になっている扶助です。
いずれの扶助にも但し書きがあり、もう一方の方法によることができます。原則と但し書きをセットで押さえておきましょう。