3. 生活保護の第9条は必要即応、第10条は世帯単位の原則
残る2つを見ていきます。
3.1 個人や世帯の実際の必要の相違を考慮する
第9条は、保護は要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行うものとすると定めています。
一律にあてはめるのではなく、実際の状況の違いを見るという原則です。第8条が基準の話であるのに対し、こちらは基準の当てはめ方の話になります。
3.2 世帯単位が原則だが個人単位もありうる
第10条は、保護は世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとすると定めています。世帯のうち1人だけを取り出して判断するのではないということです。
ただしこちらにも但し書きがあります。これによりがたいときは、個人を単位として定めることができるとされています。
4. 生活保護の原則は但し書きまで含めて読む――第8条が定める線引きとは【生活保護法】
4条のうち3条に例外が置かれています。
4.1 第7条と第10条に但し書き、第8条に第2項
第7条は急迫した状況にあるとき、第10条は世帯単位によりがたいときに、それぞれ但し書きが働きます。
第8条は但し書きではなく第2項で、基準が満たすべき条件を定めています。原則を置いたうえで、そこから外れる場合や条件を条文の中に書き込む構造です。
4.2 基本原理とは章が分かれている
この4条は第2章「保護の原則」に置かれています。第1条から第4条の基本原理は第1章「総則」で、章そのものが別です。
原理と原則という似た言葉ですが、条文上は分けて置かれています。
5. 生活保護の原則を読むときに気をつけたいこと
一次資料に当たる立場から、見方を挙げておきます。
5.1 申請は本人以外にもできる
第7条には扶養義務者やその他の同居の親族も挙げられています。本人が窓口に行けない状況でも、申請の道が閉ざされているわけではありません。
5.2 世帯の範囲は窓口で確認する
世帯単位が原則ですが、どこまでを1つの世帯とみるかは実際の状況によります。同居しているかどうかだけで決まるものでもありません。
相談先は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。世帯の扱いもあわせて確認できます。
6. 生活保護の原則は第7条から第10条の4つ
生活保護法の原則は、第7条の申請保護、第8条の基準及び程度、第9条の必要即応、第10条の世帯単位です。第2章「保護の原則」に置かれています。
第7条には急迫した状況にあるときの但し書き、第10条にはこれによりがたいときの但し書きがあります。第8条には基準が「十分」かつ「これをこえない」ものであることを定めた第2項があります。
原則の言葉だけを取り出すと実際の運用とずれます。但し書きまで含めて読んでおきましょう。