【遺族年金と繰下げ】年金「最大84%増」の落とし穴。66歳前に遺族年金の権利があると繰下げできない?【2028年の新ルールを解説】
1カ月ごとに0.7%増えるはずの繰下げ待機。途中で遺族年金が発生すると「増額率が固定される」盲点&2028年10年4月施行の「一部緩和策」をスッキリ整理
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老齢年金は受け取りを遅らせると増えます。繰下げ受給です。
ところが遺族年金を受け取る権利があると、この繰下げができないことがあります。しかも令和10年から扱いが変わります。
この記事では、日本年金機構の資料をもとに遺族年金と繰下げの関係と、今後の変更点を確認していきます。
1. 遺族年金の受給権があると老齢年金を繰り下げられない
まず、現在の取扱いを確認します。
1.1 66歳到達日以前に権利を持った場合
日本年金機構によると、原則として66歳に到達した日以前に遺族年金等を受け取る権利を有した場合は、老齢年金を繰り下げて受給することができません。
繰下げによる増額を見込んでいても、遺族年金の受給権が先にあると選べないということです。
1.2 失権していれば繰り下げられる
例外があります。65歳に到達する前に遺族年金等を受け取る権利を失権していた場合は、老齢年金を繰り下げて受給することができます。
権利があったかどうかではなく、その時点で権利を持っているかどうかで判断されます。
2. 遺族年金の受給権が発生すると繰下げの増額率が固定される
すでに繰下げを待っている途中の場合はどうなるのかを見ていきます。
2.1 待機期間中の発生はその時点で止まる
66歳に到達した日後の繰下げ待機期間中に遺族年金等を受け取る権利を有した場合は、その時点で増額率が固定されます。
老齢年金の請求の手続きを遅らせても、増額率はそこから増えません。待てば増えるという前提が途中で止まる形になります。
繰下げは自分で決められるものと思われがちですが、遺族年金の受給権が絡むと選べる範囲が変わります。書面で確かめておきたいところです。
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)