2. 役職別の給与は1段ごとの増え方に差がある

並べた額を、一段ごとの差に置き換えます。

2.1 最も増えるのは係長から課長代理

係員から主任は5万9454円、主任から係長は4万1936円、係長から課長代理は8万4843円増えます。

さらに課長代理から課長は6万9119円、課長から部次長は4万5767円、部次長から部長は8万4311円です。

2.2 増え方が小さい段もある

最も大きいのは係長から課長代理の8万4843円で、次が部次長から部長の8万4311円です。この2つはほぼ同じ幅になっています。

一方で小さいのは主任から係長の4万1936円と、課長から部次長の4万5767円です。役職が上がっても、増え方は段によって倍近く違います。

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昇進1段ごとに増える額は、段によって倍近く違います

出所:人事院「令和8年 各種調査等の結果詳細」をもとにLIMO編集部作成

3. 役職別の給与を見るときに気をつけたいこと

この数字を読むうえでの注意点を挙げておきます。

3.1 賞与は含まれていない

ここで見ているのは、令和8年4月分の「きまって支給する給与」です。賞与は含まれていないため、年収を知りたい場合はこの数字だけでは足りません。

また、税金や社会保険料を引く前の額です。昇進で増えた分がそのまま手取りに残るわけではありません。

3.2 役職の定義が決まっている

調査では役職ごとに定義が置かれています。課長は2係以上または構成員10人以上の課の長、部長は2課以上または構成員20人以上の部の長とされています。

同じ「課長」でも、勤め先によって職責の範囲は変わります。肩書だけで比べると実態からずれます。

4. 役職別の給与は係長から課長代理で最も大きく増える

事務関係の職種の平均支給額は、係員41万4426円、主任47万3880円、係長51万5816円、課長代理60万659円、課長66万9778円、部次長71万5545円、部長79万9856円です。

1段ごとに見ると、最も増えるのは係長から課長代理の8万4843円で、部次長から部長の8万4311円がそれに続きます。反対に主任から係長は4万1936円にとどまります。

役職が上がれば一定に増えるわけではありません。次の一段でいくら増えるのかという見方をしておくと、働き方を考える材料になります。

5. 給与アップをライフプランにどう活かす?FPからのアドバイス

役職が上がるごとに給与がどのように変化するのかを把握することは、中長期的なライフプラン(人生設計)を立てる上で非常に役立ちます。

たとえば、「子どもが中学生になり教育費がかかる頃には、係長から課長代理への昇進を目指して収入を増やそう」といった目標を立てやすくなります。また、昇進によって給与が増えたタイミングは、家計を見直す絶好のチャンスです。増えた給与の全額を生活費に回してしまうのではなく、そのうちの半分を新NISA(少額投資非課税制度)などの資産運用に回すことで、将来に向けた資産形成を無理なく加速させることができます。

一方で、マネジメントを担う管理職になることだけが豊かな人生の正解ではありません。育児や介護のために時短勤務を選んだり、あえて役職には就かずに専門知識を活かして現場で長く働き続けたりと、働き方は人それぞれです。大切なのは、自分自身の価値観に合った働き方を選び、その範囲内でどのように家計をやりくりし、将来に備えていくかを計画することです。

参考資料

村岸 理美