3. 金利には年0.05%の下限がある

仕組みのうち、下振れ側の決まりも確認しておきましょう。

3.1 3つのタイプに共通する最低金利

財務省は、変動10年・固定5年・固定3年のいずれについても、金利の下限を年0.05%としています。基準金利がどれだけ低くなっても、この水準を下回りません。

変動10年は半年ごとに適用する利率が変わりますので、実勢金利が下がれば受け取る利子も減ります。ただし、下がりきっても年0.05%は確保されるという形です。

3.2 利子は半年ごとに年2回受け取る

利子の受け取りは、3つのタイプとも半年ごとに年2回です。購入は最低1万円から1万円単位で、額面金額100円につき100円で購入します。

なお、国債の利子は受取時に20.315%分の税金が差し引かれます。障害者などの非課税貯蓄制度(いわゆるマル優、特別マル優)の適用を受けて非課税にできる場合もあり、この制度については税務署などが問い合わせ先です。

4. 発行後1年経てば中途換金できる

途中で現金化したくなったときの扱いも押さえておきます。

4.1 償還金額は中途換金時も額面100円につき100円

財務省によると、発行から1年が経過する第2期利子支払日以後であれば、いつでも国の買取による中途換金が可能です。償還金額は額面金額100円につき100円で、これは中途換金時も同じとされています。

値動きで元本が目減りする商品ではありません。発行後1年間は、原則として中途換金ができない点は押さえておきましょう。

4.2 直前2回分の利子相当額が差し引かれる

中途換金の際は、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。0.79685を掛けているのは、利子の受取時にすでに20.315%分の税金が差し引かれているためです。

また中途換金の特例として、保有者本人が亡くなった場合と、大規模な自然災害により被害を受けた場合には、上記の利子支払日より前であっても中途換金できるとされています。

5. まとめにかえて

令和8年9月募集分の個人向け国債は、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%、変動10年が年1.95%でした。満期が最も長い変動10年が、固定5年だけでなく固定3年にもわずかに届かず、3タイプの中で最も低い利率になっています。

この並びになるのは、変動10年だけが基準金利に0.66を掛けて決まるためです。固定5年と固定3年は基準金利から0.05%または0.03%を差し引く形で、決まり方そのものが違います。

次回の募集は令和8年10月8日から30日までで、利率は募集のたびに決まります。どのタイプを選ぶかは、使う時期と金利の動きをどう見るかで変わりますので、取扱金融機関の窓口でも確かめてみてください。

参考資料

和田 直子