ひとり暮らしの世帯は、1年でどれくらいの収入があるのでしょうか。

総務省の全国単身世帯収支実態調査(令和6年)の結果表が、2026年8月28日に更新されました。1世帯当たりの年間収入額は419万8000円です。

筆者は銀行で個人のお客さまの相談を受けてきました。この記事では、その内訳と男女差を見ていきます。

中本 智恵
窓口では「自分の収入は平均と比べてどうなのか」というご質問をよくいただきました。ただ、平均額と自分の額を並べるだけでは、次に何をすればよいかまでは見えてきません。総額ではなく内訳のどこから入ってきているのかを見ると、増やせる余地がある部分と、そうでない部分が分かれてきます。今回の数字も、その順番で追ってみてください。

なお、単身世帯の資産の水準については、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」
【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」

1. 年間収入は419万8000円

まず、全体の数字を確認します。

1.1 集計世帯数は2930世帯

総務省の調査によると、単身世帯の1世帯当たりの年間収入額は419万8000円です。集計世帯数は2930世帯で、世帯主の平均年齢は44.5歳、有業人員は0.87人でした。

65歳以上人員は0.08人です。高齢の単身世帯だけを取り出した数字ではなく、現役世代を多く含む平均になります。

1.2 ほとんどが現金収入

年間収入419万8000円のうち、現金収入が419万5000円、現物収入が3000円です。現物収入とは、勤め先から現物で受け取るものなどを指します。

数字のほぼ全部が現金で受け取る収入ということになります。

現金収入の大部分は勤め先収入です1/2

【写真1枚目/全2枚】単身世帯の年間収入の内訳。現金収入の大部分は勤め先収入

出所:総務省「全国単身世帯収支実態調査(令和6年)所得に関する結果」をもとにLIMO編集部作成

2. 収入の内訳

次に、何から得ている収入なのかを見ていきます。

2.1 勤め先収入が366万7000円

現金収入419万5000円の内訳は、勤め先収入366万7000円、公的年金・恩給給付17万5000円、事業・内職収入13万4000円、利子・配当金8万1000円、企業年金・個人年金給付6万5000円、社会保障給付金4万6000円、仕送り金2万6000円です。

働いて得る収入が大部分を占めます。世帯主の平均年齢が44.5歳であることを考えれば、自然な形です。

2.2 事業・内職収入の中身

事業・内職収入13万4000円の内訳は、農林漁業以外の事業収入9万6000円、家賃・地代3万円、内職収入6000円、農林漁業収入3000円です。

家賃・地代が含まれている点は見落とされやすいところです。

勤め先収入では男性が多く、年金給付では女性が多くなっています2/2

【写真2枚目/全2枚】単身世帯の年間収入の男女別内訳。勤め先収入は男性が多く、年金給付は女性が多い

出所:総務省「全国単身世帯収支実態調査(令和6年)所得に関する結果」をもとにLIMO編集部作成

3. 男女で106万8000円の差

性別で分けると差が出ます。

3.1 年間収入は男性470万7000円

年間収入額は男性470万7000円、女性363万9000円です。差は106万8000円になります。

世帯主の平均年齢は男性44.3歳、女性44.7歳、有業人員は男性0.88人、女性0.87人です。年齢も働いている人数もほぼ同じなので、この差は年齢構成では説明がつきません。

3.2 差が出ているのは勤め先収入

勤め先収入は男性415万4000円、女性313万2000円で、差は102万2000円です。年間収入の差106万8000円のほとんどが、ここから来ています。

一方で公的年金・恩給給付は男性16万4000円、女性18万7000円、企業年金・個人年金給付は男性5万9000円、女性7万2000円と、いずれも女性のほうが多くなっています。

中本 智恵
収入の差そのものより、内訳のどこで差がついているかを見ると、次に何ができるかが見えてきます。勤め先収入の差は、厚生年金の加入期間とその間の収入に反映されるため、そのまま将来の年金額にもつながります。受け取る側になったときにどれくらいの水準になるのかは、65歳以上の平均貯蓄額・年金月額・1カ月の生活費をまとめた記事で確かめられます。