10月は、偶数月に支払われる公的年金の支給月です。秋になると、年金を受け取る世帯のもとに「扶養親族等申告書」が届き、翌年の年金にかかる税金の手続きが始まります。

年金生活のまっただ中にある70歳代は、毎年のこの手続きが手取りを左右します。まずは同じ世代がどれくらい蓄えているのかを、平均と中央値の両方で確かめておきましょう。

そこで今回は、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値を確認します。あわせて、秋に届く「扶養親族等申告書」と年金の税金のしくみを、データと制度の両面から整理していきましょう。

LIMO編集部貯蓄解説班

年金生活に入ると、資産を増やすことよりも「毎年の手取りをどう守るか」のほうが家計に効いてきます。額面が同じでも、手続きの有無で手元に残る金額は変わります。

まずは同世代の平均と中央値を、わが家のものさしにしてみましょう。

なお、年代別の貯蓄額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認

1. 【70歳代二人以上世帯の平均貯蓄額】中央値はいくらか?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 70歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

70歳代(二人以上世帯)の貯蓄額の円グラフ1/1

70歳代の貯蓄円グラフ

出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)〔二人以上世帯〕」をもとにLIMO編集部作成

円グラフの内訳にあたる金額帯ごとの数字は、「【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認」に掲載されているため、そちらから引用します。

  • 金融資産非保有:10.9%
  • 100万円未満:4.5%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:3.7%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.9%
  • 500~700万円未満:6.4%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:11.1%
  • 1500~2000万円未満:6.7%
  • 2000~3000万円未満:12.3%
  • 3000万円以上:25.2%
  • 無回答:0.6%
  • 平均が2416万円、中央値が1178万円です。

出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認

平均は2416万円、中央値は1178万円です。2000万円以上の世帯が37.5%にのぼる一方、貯蓄のない世帯は10.9%と、ほかの年代より少なめです。

平均が中央値を上回るのは、蓄えの厚い一部の世帯が全体を引き上げているためです。平均額だけをみて安心したり落ち込んだりせず、実感に近い中央値もあわせて、わが家の位置を確かめておきたいところです。

LIMO編集部貯蓄解説班
70歳代は、年金と蓄えで暮らしを支える時期です。貯蓄額を確かめたら、次は毎年の手取りを左右する年金の税金にも目を向けてみましょう。次のページで、秋に届く「扶養親族等申告書」のしくみをみていきます。