3. NISA口座の損失はないものとみなされる

もうひとつ、利益が出なかったときの扱いも確認しておきましょう。

3.1 損益通算も繰越控除もできない

国税庁によると、非課税口座で取得した上場株式等を売却したことにより生じた損失は、ないものとみなされます。税金の計算上、その損失は存在しなかったことになるということです。

そのため、特定口座や一般口座で保有する上場株式等の配当等や譲渡益との損益通算はできません。翌年以降に持ち越して差し引く繰越控除もできないとされています。

3.2 課税口座なら使える仕組みが使えない

課税口座であれば、ある銘柄の損失を別の銘柄の利益と相殺して税金を減らすことができます。NISA口座ではこの調整ができません。

利益が出れば非課税という利点の裏側に、損失が出たときの救済がないという性質があります。どちらか一方だけを見て判断しないようにしたいところです。

課税口座とNISA口座の両方で取引している方は、この違いが確定申告のときに効いてきます。NISA口座で出た損失は申告書に載せられませんので、課税口座の利益だけで税金が計算されることになります。

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非課税という利点と、損失が救済されないという性質は表裏です

出所:国税庁「No.1535 NISA制度」をもとにLIMO編集部作成

4. 書面と設定画面のどこを見るか

制度の説明を読むだけでは、自分がどうなっているかはわかりません。手元で確かめる方法を挙げておきます。

4.1 受取方法は口座の設定で確認する

配当金の受取方法は、証券会社の口座の設定画面や、口座開設時の書面で確認できます。項目名は証券会社によって表記が違いますので、株式数比例配分方式という言葉が選ばれているかどうかを見てください。

配当金領収証が郵便で届いている場合は、株式数比例配分方式になっていない可能性があります。届いた郵便物も手がかりになります。

4.2 家族と共有しておく

口座の設定は、本人しか把握していないことが多いところです。どの証券会社にNISA口座があり、配当金がどこに入ってくるのかを家族と共有しておくと、あとから困りにくくなります。

設定の変更や実際の課税の扱いは、取引のある証券会社や税務署が窓口です。個別の事情によって取り扱いが変わることもありますので、確かめたい点があれば問い合わせてみてください。

5. まとめにかえて

NISA口座で保有する上場株式等の配当金を非課税で受け取るには、受取方法として株式数比例配分方式を選んでいる必要があります。発行者から直接交付されるものは課税扱いです。

また、NISA口座で生じた損失はないものとみなされ、他の口座との損益通算や繰越控除はできません。非課税という利点と対になっている性質です。

どちらも制度の説明を読むだけでは自分の状況がわかりません。口座の設定画面と手元の書面を、一度あわせて確かめておきましょう。

参考資料