8月末を基準日とする株主優待・配当の権利付き最終日(8月27日)を過ぎ、8月本決算や2月期決算企業の中間期を迎える銘柄を中心に権利取りの動きが一区切りついたところです。

個人投資家の関心は早くも次の権利確定である9月末銘柄へと移りつつあり、9月末は3月期決算企業の中間期にあたることから株主優待を実施する銘柄も数多く並び、次の優待取得のスケジュールを探る動きが強まりやすい時期でもあります。

こうしたなか、業績が堅調で株主優待の人気も高い銘柄として注目したいのが、家電量販店最大手のヤマダホールディングス<9831>です。

28日の株価終値は前日比2.5円高(+0.36%)の706.2円でした。

6日に発表した2027年3月期1Q決算では、経常利益が前年同期比14.5%増益となるなど増収増益で着地しており、9月末を基準日とする株主優待の権利確定も近づいています。100株以上を保有する株主には、自社店舗で使える買物優待券が進呈されますが、実はヤマダHDの優待は3月末より9月末の方がもらえる額が手厚く設定されている(1,000株未満の場合)のも見逃せないポイントです。

ココがポイント
  • 2027年3月期第1四半期決算は増収増益、エアコン特需でデンキ事業が牽引
  • 住建セグメントは資材高と広告宣伝費増加で営業減益、通期業績予想は据え置き
  • 9月末が基準日の株主優待、保有株数別の買物優待券の内容と権利付き最終日

1. 2027年3月期1Q決算は増収増益、エアコン特需がデンキ事業を押し上げ

ヤマダHDが8月6日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算は、次の内容でした(カッコ内は前年同期比)。

  • 売上高:4,202億1,800万円(前年同期比+11.3%)
  • 営業利益:156億4,200万円(同+16.8%)
  • 経常利益:167億7,400万円(同+14.5%)
  • 最終利益:99億8,400万円(同+12.8%)

通期の会社予想(2027年3月期)に対する進捗率は、売上高が23.6%、営業利益が30.4%、経常利益が31.9%、純利益が35.9%となっており、利益面は単純な期割り(1Qなら25%)を上回るペースで進んでいます。なお、通期の業績予想・配当予想はいずれも5月8日発表時点から修正されておらず、据え置かれています。

2. 売上の8割を稼ぐデンキ事業、なぜエアコン特需が業績を押し上げたのか

ヤマダHDの事業はデンキ・住建・環境・金融の4セグメントで構成されますが、売上高の8割超を占めるのがデンキセグメントです。1Qの同セグメントの業績は、売上高3,394億6,600万円(前年同期比10.5%増)、営業利益147億4,500万円(同20.3%増)の増収増益でした。

エアコンはもともと夏場に向けて需要が高まる季節商材ですが、今回の1Qについては、省エネ基準の引き上げを見据えた「エアコン2027年問題」による早期買い替え需要が4~5月を中心に一段と顕在化したと説明しています。

気象庁によれば2026年4月は全国的に記録的な高温となり、春(3~5月)の平均気温も西日本を中心に統計開始以来1位タイの高さを記録しており、こうした早めの気温上昇もエアコン需要を後押しした一因とみられます。これに伴う来店客数の増加を通じて、テレビや冷蔵庫、洗濯機といった大型家電に加え、リフォームや家具・インテリアなど非家電分野の売上も押し上げました。

なお、前期から進めてきたLABI仙台・LABI名古屋を含む一部大型店の退店により、ヤマダデンキ全店の売上高には約1.4%の減収影響が生じていますが、新店・既存店の伸長がこれを上回り、増収増益を確保した形です。

一方、住建セグメントは売上高728億2,600万円(前年同期比13.1%増)と増収でしたが、営業利益は4,600万円(同87.8%減)と大幅な減益になりました。

主力のヤマダホームズで、法改正前の駆け込み受注案件の減少に加え、資材価格の上昇や広告宣伝費の増加により売上総利益率が低下し、営業損失は7億5,900万円となりました(前年同期に比べて6億3,300万円の悪化)。ただし、同社の住宅受注実績は前年比110%超と好調で、第2・第3四半期にかけて通期の計画達成を図るとしています。