NISA口座で株式を買えば、配当金も自動的に非課税になる。そう思っている方は多いのではないでしょうか。

実際には、配当金の受取方法をどう設定しているかで扱いが変わります。国税庁によると、非課税になる配当等は株式数比例配分方式を選択したものに限られます。

この記事では、設定によって課税されてしまう仕組みと、NISA口座で損失が出たときの扱いを確認していきます。

ココがポイント
  • 配当金を非課税にするには受取方法を株式数比例配分方式にしておく必要がある
  • 発行者から直接交付される配当金は、NISA口座の株式でも課税扱いになる
  • NISA口座で生じた損失は「ないもの」とみなされ、損益通算も繰越控除もできない

1. 配当金は受取方法で扱いが変わる

まず、非課税になる配当金の範囲を確認します。

1.1 非課税になるのは証券会社を経由したものだけ

国税庁によると、非課税とされる配当等は「非課税口座を開設している金融商品取引業者等を経由して交付されるもの(株式数比例配分方式を選択したもの)」に限られています。上場株式等の発行者から直接交付されるものは課税扱いです。

つまり、非課税かどうかを分けているのは、どの口座で買ったかだけではありません。配当金がどの経路で手元に届くかも見られているということです。

1.2 ほかの受取方法を選んでいると課税される

配当金の受取方法には、株式数比例配分方式のほかにもいくつかの種類があります。配当金領収証を受け取って郵便局などの窓口で換金する方法や、指定した銀行口座に振り込んでもらう方法です。

これらは発行者から直接交付される形になりますので、NISA口座で保有している株式の配当金であっても課税されます。買い方は合っていても、受け取り方でつまずくことがあるわけです。

配当金がどの経路で届くかで、非課税かどうかが分かれます1/2

配当金がどの経路で届くかで、非課税かどうかが分かれます

出所:国税庁「No.1535 NISA制度」をもとにLIMO編集部作成

2. 影響が出るのは上場株式やETFなど

どの商品でこの話が関係してくるのかも整理しておきます。

2.1 上場株式・ETF・REITが対象になる

受取方法の設定が関わるのは、上場株式のほか、上場投資信託(ETF)や不動産投資法人の投資口(REIT)です。いずれも発行者から直接配当金や分配金を受け取る経路が選べるためです。

金融庁のNISA特設ウェブサイトでも、NISAでは運用益として売却益と配当金・分配金が非課税になると説明されています。その非課税を実際に受けるための条件が、受取方法の設定というわけです。

2.2 設定はすべての証券会社に反映される

株式数比例配分方式を選ぶと、その設定は保有するすべての証券口座に反映される仕組みになっています。複数の証券会社を使っている方は、どこか1社で設定を変えると全体に及ぶ点を押さえておきましょう。

設定の変更方法や反映のタイミングは証券会社によって案内が異なりますので、取引のある証券会社で確認してください。

熊谷 良子

制度の説明を読むだけでは気づきにくく、口座の設定画面を開いて初めてわかる部分です。年に一度でよいので、書面で確かめておきたいところです。