3. 未納のままにしないための対策、免除・納付猶予制度を活用する
「保険料を払いたくても、収入が少なくて払えない」という場合、未納のまま放置するのではなく、免除や納付猶予の制度を利用することが大切です。
3.1 免除・納付猶予制度の種類
国民年金保険料には、生活保護を受けている方や障害年金(2級以上)を受けている方などが対象になる「法定免除」のほか、本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定基準以下の場合に申請できる「申請免除」(全額・4分の3・半額・4分の1免除)、50歳未満を対象とした「納付猶予制度」、学生を対象とした「学生納付特例」などがあります。マイナポータルを使えば、これらの免除・納付猶予の申請を電子申請できます。
3.2 免除・猶予を受けた期間は「未納」にはならない
免除や猶予が認められた期間は、未納とは異なり、老齢基礎年金の受給資格期間に含まれ、督促や差押えの対象にもなりません(受け取れる年金額への反映は、免除の種類によって異なります)。また、免除・猶予を受けた期間の保険料は、10年以内であればあとから納める「追納」も可能です。生活が落ち着いたタイミングで追納すれば、将来の年金額を満額に近づけることもできます。
免除や猶予の申請は、収入が少なくなった時点でも、さかのぼって認められる場合があります。まずは市区町村の窓口や年金事務所に相談し、未納の状態を長引かせないことが、将来の年金額を守るうえでも、差押えのリスクを避けるうえでも大切です。
4. まとめ
国民年金保険料の未納率は全国で15.0%、都市部を中心にやや高い水準にあります。未納を放置すると、納付勧奨から最終催告状、督促状を経て、財産の差押えに至ることがあり、令和7年度だけで2万6859件が実際に差し押さえられました。世帯主や配偶者にも連帯納付義務がある点も見落とされがちです。
収入が少なく納付が難しい場合は、未納のまま放置せず、免除や納付猶予の制度を利用しましょう。免除・猶予期間は督促や差押えの対象にならないうえ、10年以内であれば追納によって将来の年金額を満額に近づけることもできます。まずはお住まいの市区町村の窓口や年金事務所に相談してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年5月末現在 国民年金保険料の月次納付率」
- 日本年金機構「日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)」
- 日本年金機構「令和7年度 国民年金保険料強制徴収の実施状況」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除・猶予・追納」
LIMO編集部年金解説班
