厚生年金の平均月額というと全国のひとつの数字を思い浮かべますが、住んでいる地域によってかなり違います。

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額がもっとも高いのは神奈川県の17万457円、もっとも低いのは青森県の12万8129円でした。その差は4万2328円です。

この記事では、都道府県別の上位5都県と下位5県を確認したうえで、働きながら年金を受け取る場合の基準額の変更まで見ていきます。

ココがポイント
  • 厚生年金の平均月額が高いのは神奈川県17万457円、低いのは青森県12万8129円。差は4万2328円
  • 国民年金は納めた月数で決まるため、地域による差は厚生年金ほど大きくない
  • 在職老齢年金の基準額は2026年4月から51万円が65万円に引き上げられる

なお、都道府県別の年金額については、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【平均年金月額】都道府県別の1位「厚生年金は神奈川県」「国民年金は富山県」将来の受給額を増やす方法はあるか
【平均年金月額】都道府県別の1位「厚生年金は神奈川県」「国民年金は富山県」将来の受給額を増やす方法はあるか

1. 厚生年金の平均月額が高い都道府県と低い都道府県

まず、上位と下位をそれぞれ5つずつ見ていきます。ここでの金額は国民年金(老齢基礎年金)の部分を含んだ額です。

1.1 高いのは神奈川県の17万457円

もっとも高いのは神奈川県で17万457円でした。次いで千葉県16万5103円、東京都16万3892円、奈良県16万2292円、埼玉県16万1752円と続きます。

上位5つのうち4つを首都圏の都県が占めています。奈良県だけが関西から入りました。

1.2 低いのは青森県の12万8129円

もっとも低いのは青森県の12万8129円です。以下、沖縄県12万8819円、宮崎県12万9224円、秋田県12万9503円、山形県13万1169円となっています。

神奈川県と青森県では4万2328円の差があります。年額にすると50万7936円で、1年でこれだけの開きが出る計算です。

上位には首都圏の県が並び、下位は東北と九州・沖縄が中心です1/2

上位には首都圏の県が並び、下位は東北と九州・沖縄が中心です

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

2. 国民年金は地域による差が小さい

同じ公的年金でも、国民年金では様子が違います。

2.1 金額は納めた月数で決まる

国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、保険料を納付した月数で決まります。現役時代の報酬が反映されないため、個人差や男女差、そして地域による差も厚生年金ほど大きくはなりません。

都道府県別に見ても、北海道5万8435円、青森県5万7137円、岩手県6万720円、宮城県5万9532円、秋田県5万9147円、山形県6万827円、福島県5万9922円、茨城県5万9395円というように、5万円台から6万円台に収まっています。

2.2 厚生年金の地域差が生まれる理由

厚生年金は現役時代の報酬と加入期間で金額が決まります。地域によって賃金の水準や、厚生年金に加入して働いた期間の長さに違いがあれば、それがそのまま平均額の差になります。

つまり、いま住んでいる場所で金額が決まるわけではなく、これまでどこでどう働いてきたかが反映されているということになります。

在職老齢年金の基準額は2026年4月から大きく変わります2/2

在職老齢年金の基準額は2026年4月から大きく変わります

出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」をもとにLIMO編集部作成

中本 智恵

都道府県別の数字は、住む場所を選ぶ材料ではなく、働き方の違いが積み上がった結果として読むほうが正確です。