2. 著者からの一言コメント
歴史的な町並みを散策することで、身近な言葉の背景まで知ることができるのは、旅ならではの面白さですね。
観光地には、看板で説明があったり、その地域のホームページなどを見ても詳しい説明が書かれていたりします。観光とそういった情報を合わせて見ると、学びが加わって、より興味深い旅にできそうです。
どれだけ年齢を重ねても、知らないこと、見たことのないものはたくさんあるはずです。旅行はそんな新しい発見を与えてくれる1つ。ただ楽しいだけの旅ももちろん素敵ですが、こういった学びのある旅は、その土地をより印象深いものにしてくれそうですね。
3. 旅を楽しむ余裕はある?65歳以上の貯蓄と家計のリアル
いくつになっても旅を楽しむには、日々の家計に無理のない余裕があることが前提になります。その目安となるのが老後の貯蓄額や年金収入です。
65歳以上無職夫婦世帯の「平均貯蓄額は2494万円」ですが、これはあくまで無職世帯に限った数字です。
有職世帯を含めた65歳以上世帯全体で見ると、状況は少し異なります。
有職世帯を含めた65歳以上の二人以上世帯では、平均貯蓄額は2564万円です。しかし、より実態に近いとされる中央値(貯蓄ゼロ世帯を除く)は1777万円となり、平均値と約790万円もの開きがあります。貯蓄額の分布を見ると、2500万円以上の貯蓄を持つ世帯が全体の36.3%を占める一方で、300万円未満の世帯も14.9%存在します。このことから、一部の貯蓄額が非常に多い世帯が全体の平均値を押し上げている構造が分かります。
「中央値は1777万円」にとどまり、平均値ほどの余裕がない世帯も少なくないのが実情です。
年金は厚生年金が「平均15万289円」、国民年金が「5万9310円」で、夫婦世帯の毎月の収支は「4万2000円の赤字」というデータもあります。
無理のない範囲で旅を楽しみ続けるためにも、一度自分の家計と照らし合わせて確認しておいてもよいかもしれませんね。
記事の数字を並べ直すと、輪郭がはっきりします。65歳以上の二人以上世帯の貯蓄は、平均2564万円に対して中央値は1777万円。790万円の差は、2500万円以上を持つ36.3%の世帯が平均を押し上げているためです。自分の見通しを立てるときは、平均ではなく中央値を起点にしたほうが現実に近くなります。
そのうえで、夫婦世帯の家計収支が月4万2000円の赤字だとすると、年間では約50万円。65歳から90歳までの25年で単純計算すると1260万円ほどになります。中央値の1777万円から差し引けば、残るのは500万円程度という計算です。
車中泊のような旅の費用は、この残った部分から出すことになります。収支は世帯ごとに異なりますが、趣味に何を選ぶかを考える前に、生活費の不足をどこまで自力で埋められるのかを見ておくと、計画は立てやすくなるはずです。
参考資料
小橋 美月


