5. 【老齢年金生活者支援給付金】保険料32年(384月)分の受取額は月4496円
老齢の給付額は、480月に対する納付済月数の割合で決まります。384月なら8割にあたる期間です。
ここで取り上げるのは、その納付済期間384月、年数にして32年間のケースです。
5.1 納付384月は基準額の8割。月4496円・年5万3952円
- 保険料納付済期間:384月(32年)
- 月額:4496円
- 年額:5万3952円
- 満額(480月)の月5620円との差:月1124円
- 20年間受け取った場合の累計:107万9040円
※計算式は5620円×納付済月数÷480で、円未満は四捨五入しました。免除を受けた期間については別枠で加算されるため、この金額には含まれていません。このケースでは5620円×384÷480=4496円という計算になります。
384月を納めた方の受取額は月4496円で、基準額のちょうど8割にあたります。満額との差は月1124円です。
20年間受け取り続けた場合の累計は107万9040円になります。納付384月に対応する老齢基礎年金はおよそ67万7837円で、所得基準80万9000円の範囲に収まります。ただし老齢では、これに加えて65歳以上であることと、世帯全員が市町村民税非課税であることも要件になります。
5.2 396月にすると月4637円。差は月141円
納付済期間を12月増やすと、給付金は月141円増えて4637円になります。年額では5万5644円、20年間の累計では111万2880円です。
384月から396月へ積み増す方法としては、60歳以降に国民年金へ任意加入する、納付猶予や学生納付特例を受けた期間を追納するといった選択肢があります。任意加入は60歳から65歳までの間に使えます(受給資格期間を満たしていない場合は70歳まで)。追納できるのは承認された月の前10年以内の猶予・特例期間で、未納だった月については納付期限から2年以内が期限です。
なお、全額免除や4分の3免除、半額免除を受けた期間は、給付金では納付済期間よりも高い単価で計算されています。この期間を追納すると納付済期間へ移るため、老齢基礎年金は増えても給付金のほうは逆に下がることがあります。追納を検討する際は、この点も含めて確かめておく必要があります。
2026年度の国民年金保険料は月1万7920円ですので、12月分でおよそ21万5000円です。これに対し、給付金の増額は年1692円です。給付金の増加分だけを見れば、投じた保険料を取り戻すまでの道のりは長くなります。それでも老齢基礎年金が年2万1182円ほど増えることを加えれば、10年ほどで釣り合う水準です。
満額までは残り96月分です。加入記録はねんきんネットで随時確認できます。未納の月が残っていれば、まだ手を打てる余地があるということです。
6. 年金生活者支援給付金はどれも基礎年金の受給が前提。老齢は条件が3つ
年金生活者支援給付金の3種類は、対応する基礎年金を受け取っていることが共通の入口です。そのうえで障害と遺族は前年の所得479万4000円以下という1点、老齢は65歳以上・世帯全員の市町村民税非課税・前年の年金収入等80万9000円以下という3点が問われます。
2026年度の月額は老齢の基準額5620円、障害1級7025円・2級5620円、遺族5620円です。前年度から+3.2%の増額改定となり、6月に支給される4月分から反映されます。
老齢だけは基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間から金額が計算されます。自分が受け取っている年金の種類と要件が分かりにくいときは、年金事務所で確かめてみてください。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度 特設サイト」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を新規に請求する方」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
安達 さやか