2026年(令和8年)度より、少子化対策の財源となる「子ども・子育て支援金」の徴収が各医療保険に上乗せされる形で段階的に開始され、シニア世代の医療保険料の行方に社会的な関心が集まっています。長寿化が進むなかで、医療費や保険料の負担は老後の生活に直結する大切なテーマです。

筆者はファイナンシャルプランナー(FP)として、これまで多くの家計相談や老後資金のプランニングに携わってきました。現場では「75歳になったら保険証はどうなるの?」「保険料がいきなり高くなるのではないか」と、年齢の節目を前に不安を抱えるご夫婦に多くお会いします。

75歳を迎えると、それまで加入していた健康保険から「後期高齢者医療制度」へと自動的に切り替わりますが、保険料の計算方法やご家族の手続きには注意すべき点がいくつかあります。この記事では、75歳を境に何が変わるのか、知っておきたいポイントと実用的な対策をわかりやすく解説します。

ココがポイント
  • 資格を取得するのは75歳の誕生日当日から。加入の手続きは不要
  • 保険料は世帯ではなく被保険者一人ひとりにかかる
  • 被扶養者だった方は75歳到達後2年間、均等割が5割軽減され所得割はかからない

なお、75歳からの窓口負担については、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【75歳からの医療費】いちばん重い「3割負担」になる年収はいくら?老後の家計を左右する判定基準をズバリ解説
【75歳からの医療費】いちばん重い「3割負担」になる年収はいくら?老後の家計を左右する判定基準をズバリ解説

1. 【後期高齢者医療制度】加入のタイミングと仕組み「本人の手続きは不要」

まず、いつからどう切り替わるのかを押さえておきます。

1.1 加入の手続きは要らない

東京都後期高齢者医療広域連合によると、都内に住所がある方が75歳の誕生日を迎えたときに、後期高齢者医療制度の資格を取得します。それまで加入していた健康保険や国民健康保険からは自動的に切り替わり、加入の手続きは必要ありません。

75歳になる方には、誕生日までに市区町村から書類が届きます。資格確認書は簡易書留郵便または特定記録郵便で、資格情報のお知らせは普通郵便で送られます。

1.2 65歳以上75歳未満でも対象になることがある

75歳未満でも被保険者になる場合があります。65歳以上75歳未満の方が、申請により広域連合から一定の障害の認定を受けたときです。

認定の要件は、身体障害者手帳の1級から3級(4級の一部を含む)、障害年金の1級または2級、精神障害者保健福祉手帳の1級または2級などとされています。こちらは自動ではなく、申請が要る点が異なります。