3. 【確認したいこと】秋にできる手続きは2つある

9月から12月にかけては、NISAに関する期限がいくつか重なります。日付が決まっているものから見ていきます。

3.1 金融機関を変えるなら9月30日まで

NISA口座を開設する金融機関は、1年単位で変更できます。金融庁は、変更後の金融機関にNISA口座を設けようとする年の前年10月1日から、その年の9月30日までの間に手続きが必要としています。

つまり2026年分の変更は9月30日が締切で、2027年分の受付は10月1日から始まります。

ただし条件があります。金融庁は「変更前の金融機関のNISA口座で既に上場株式等の受入れをしているときは、その年分についての金融機関の変更はできません」としています。その年にすでに買付をしていれば、翌年分からの変更になります。

3.2 売却しても枠が戻るのは翌年以降

もうひとつ、年末に迷いやすいのが売却のタイミングです。

金融庁は「商品を売却した場合、翌年以降売却した商品の簿価の分だけ非課税投資枠が復活し、再利用が可能になります」と説明しています。年内に売っても、その年のうちに枠が空くわけではありません。

枠を使い切りたいという理由で年末に売買を組み替えても、意図した結果にならないことがあります。

4. 【数字でみる】買付は1月に集中し、年半ばに落ち込む

実際の買付がいつ行われているかを見ると、季節による偏りがあります。

4.1 1月が突出している

日本証券業協会が2026年8月21日に公表した大手証券10社の集計によると、2026年1月から7月の買付額は11兆7565億円でした。

月別では1月が2兆9206億円と突出しており、4月は1兆2312億円、7月は1兆2379億円です。2025年も同じ形で、1月2兆4012億円から5月8090億円まで落ち込み、12月に1兆5493億円へ戻っています。

年初にまとめて設定し、その後は動かさないという行動が数字に表れていると考えられます。

4.2 買われている商品はインデックス型に偏る

同じ集計では、つみたて投資枠の買付額上位10銘柄がすべてインデックス型でした。投資先は海外が7本、内外が2本、国内が1本です。

金融庁の調査でも、2025年のつみたて投資枠の新規買付額はインデックス投信が5兆4680億円、アクティブ投信が3236億円で、内訳が判明している分の94.4%をインデックス投信が占めています。

5. 【今後の見通し】2027年からつみたて投資枠が0歳から使えるようになる

制度そのものにも変更が決まっています。商品の選択肢にも関わる内容です。

5.1 年齢要件の撤廃

令和8年度税制改正で、つみたて投資枠の年齢要件が撤廃され、0歳から17歳も対象に加わることになりました。大綱は令和7年12月26日に閣議決定され、法律は令和8年3月31日に成立しています。

0歳から17歳の間は年間投資枠60万円、非課税保有限度額600万円で、18歳に達すると成人向けの制度へ自動的に移行します。12歳以降は、資金の使途が子のためであり子が同意した書面を親権者等が提出した場合に限り払い出せます。

金融庁の資料では適用時期が令和9年からと示されています。条文レベルの施行日はまだ確認できないため、詳細は今後の政省令を待つことになります。

5.2 対象商品の要件も広がる

同じ改正で、指定株式指数に読売株価指数とJPXプライム150指数が追加されました。一部の指数について、他の指定指数との組み合わせが必要という要件も撤廃されています。

また指定指数に連動しない公募株式投信の要件が、主に株式に投資するものから、主に株式または公社債に投資するものへ広がりました。金融庁は債券中心やバランス型の選択肢が増えることを狙いとしています。

選べる商品が増えれば、比較する手間も増えます。冒頭で挙げたコストと投資対象の確認は、今後さらに効いてくることになります。

6. まとめにかえて

つみたて投資枠でインデックス投信を選ぶときは、信託報酬と投資対象を確認し、地域やテーマへの偏りと商品の重複を避けることが基本になります。対象商品は363本あり、うち指定インデックス投資信託が286本です。

一方でNISA口座2820万6434のうち36.6%は、2025年に一度も買付がありませんでした。70歳代は50.1%、80歳代以上は73.5%と年代による差もあります。

金融機関の変更は9月30日が締切で、10月1日からは翌年分の受付が始まります。売却した枠が戻るのは翌年以降です。投資は値動きによって元本を下回ることがありますので、ご自身の状況に合うかどうかは、金融機関の窓口などで確認しながら判断してみてください。

参考資料