3. 2025年は値上げ、2026年は「いつ見るか」で変わる料金体系へ

意外と見落としがちですが、さまざまな改革のなかでも重要なのが、入場料の改定です。

転換点となったのが昨年の2025年大会。前年までと比べて一般料金が引き上げられた一方、子ども料金は据え置き、または一部値下げされ、対象も従来の「4歳以上小学生まで」から「4歳から中学生」へと拡大されました。

2025年大会の主な一般料金は下記の通りです。

3.1 8月5日~8月10日(2部制)※午前券・夕方券同料金

  • 中央指定席 大人:2500円 子ども:2500円
  • 1・3塁指定席 大人:2000円 子ども:500円
  • アルプス席 大人・子ども:1000円
  • 外野指定席 大人:500円 子ども:100円

3.2 8月11日~※一日券

  • 中央指定席 大人・子ども:4800円
  • 1・3塁指定席 大人:3900円 子ども:1000円
  • アルプス席 大人・子ども:2000円
  • 外野指定席 大人:1000円 子ども:200円

2025年の第107回大会の入場料一覧表3/4

2025年の第107回大会の入場料一覧表

出所:日本高等学校野球連盟

料金改定の背景には、猛暑対策として2部制が拡大したことによる稼働時間の延長に加え、物価や人件費の高騰があります。大会運営にかかる経費が増えるなか、観客を入れ替える新たな観戦スタイルにも対応する必要が生じました。

従来は、1枚のチケットで朝から夕方まで複数の試合を観戦するスタイルが基本でしたが、2部制の日は観客の入れ替えが発生するため、「一日券」以外に「午前券」と「夕方券」が必要となりました。

そして2026年大会では、さらに料金体系が変わりました。

新たに導入されたのが、「カテゴリーA」と「カテゴリーB」の2段階制です。

カテゴリーAは、8月7日から12日までの午後の部と8月13日以降が対象です。一方、カテゴリーBは大会第1日と第2日、8月7日から12日までの朝の部が対象となっています。

主な一般席の料金は次の通りです。

3.3 カテゴリーA(8月7日~12日の「午後の部」、8月13日以降)

  • 中央指定席 大人・子ども:4800円
  • 1・3塁指定席 大人:3900円 子ども:1000円
  • 1・3塁アルプス席 大人・子ども:2000円
  • 外野指定席 大人:1000円 子ども:200円

3.4 カテゴリーB(8月5日~6日、7日~12日の「朝の部」)

  • 中央指定席 大人・子ども:1500円
  • 1・3塁指定席 大人:1200円 子ども:300円
  • 1・3塁アルプス席 大人・子ども:700円
  • 外野指定席 大人:300円 子ども:100円

2026年の第108回大会の入場料一覧表4/4

2026年の第108回大会の入場料一覧表

出所:日本高等学校野球連盟

2026年の料金体系で特徴的なのは、大会後半や午後の部の料金を高めに設定する一方、大会序盤や朝の部には低価格帯を設けたことです。

例えば中央指定席は、カテゴリーAでは4800円ですが、カテゴリーBでは1500円です。外野指定席も、カテゴリーAの1000円に対して、カテゴリーBでは300円となっています。

4. 甲子園決勝(8月22日)を現地で観戦したときの入場料は?

8月22日の決勝は、カテゴリーAに該当します。

したがって、入場料は

  • 中央指定席 大人・子ども:4800円
  • 1・3塁指定席 大人:3900円 子ども:1000円
  • 1・3塁アルプス席 大人・子ども:2000円
  • 外野指定席 大人:1000円 子ども:200円

が採用されることになります。

最も安い外野指定席なら、大人1000円、子ども200円から甲子園決勝を現地で観戦できます。一方、中央指定席は大人・子どもともに、4800円となっており、どこの席で観戦するかで大きな価格差があります。

ビデオ検証やDH制がグラウンド上の高校野球を変える改革だとすれば、入場料のカテゴリー制はスタンドから見る甲子園を変える改革です。

2026年大会では、選手の安全、判定の公平性、競技を支える人材、そして観客の観戦方法まで、さまざまな部分で変化が進みました。

その中で入場料の変化は、甲子園が「昔ながらの大会」から、現代の環境に合わせて運営方法を見直す大会へ変わっていることを、身近に感じられる改革の一つといえます。

5. スポーツトレンドウォッチャーのひとこと

大蔵 大輔

テレビでも観戦できる甲子園ですが、放映権料は「0円」。大会を運営するための収益のほとんどは現地の「入場料」に依存しています。

そのため、中止になった2020年大会、一般観客を入れない「原則無観客」で開催された2021年大会は、甲子園という一大イベントを維持するために、クラウドファンディングで支援を求めるなどの動きもありました。

今年から採用された入場料の仕組みは、一見すると複雑に思えますが、裏にあるのは「収入を確保しながら、多くの人に高校野球を見てもらうための試行錯誤」です。

最近は人件費の高騰や猛暑対策のためのコストなどで、運営にかかる費用は増大しており、夏の風物詩を守るための戦いは、今後も続いていきそうです。

参考資料

大蔵 大輔