4. 時間分散という積立投資ならではの強み
積立投資には、複利効果に加えてもう一つ大きな特徴があります。それが「時間分散」です。
一括で投資するのではなく、あらかじめ決まった金額を継続して投資することで、価格が安いときには多く、価格が高いときには少なく買うことになります。これにより、高いときにまとめて買ってしまうことを避けられます。
仮想の例で確認してみましょう。
毎月1万円ずつ、価格が変動する商品を12カ月にわたって購入した場合を試算すると、価格の単純な平均は約10,083円であるのに対し、実際に支払った金額から計算した平均購入単価は約9,947円となり、単純平均よりも約137円低くなりました。
5. 月々の積立額をどう決める?
ここまでの試算は、あくまで一例です。実際に毎月いくら積み立てるかは、無理のない範囲で決めることが何より大切です。
まず、日々の生活費に加えて、病気や急な出費に備えるための「生活防衛資金」を確保したうえで、それ以外の余剰資金の中から積立額を決めましょう。
毎月3万円が難しければ、1万円や5,000円といった無理のない金額から始めても構いません。つみたて投資枠は年間120万円(月あたり10万円)まで使えますが、上限まで使い切る必要はなく、家計の状況に応じて金額を調整できます。
大切なのは、金額の大きさよりも、長く続けられる金額を選ぶことです。複利効果は運用期間が長くなるほど効果を発揮するため、少額であっても早く始めて長く続けることが、将来の資産額に大きく影響します。
6. まとめ
NISAのつみたて投資枠を活用した資産形成では、複利効果・平均利回り・時間分散という3つの考え方を押さえておくことが役立ちます。
運用益を再投資することで効果を増していく複利、想定する利回りによって将来の資産額が変わってくること、そして価格変動があっても平均購入単価を抑えられる時間分散の効果です。いずれも将来の成果を保証するものではありませんが、仕組みを理解したうえで、無理のない金額から積立を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
和田 直子

