6. 年金生活者支援給付金は保険料の免除期間があるといくら変わる?
年金生活者支援給付金の金額は、保険料を納めた期間だけで決まるわけではありません。国民年金の保険料免除を受けていた期間も、別の単価で上乗せされます。
令和8年度(2026年度)の場合、納付済期間の単価が月5620円であるのに対し、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間は「月1万1768円」、4分の1免除の期間は月5884円で計算されます。免除期間の単価は、納付済期間のおよそ2.1倍にあたります。
6.1 【免除区分別】年金生活者支援給付金の月額・年額
- 納付300月+全額免除180月:月額7926円/年額9万5112円
- 納付300月+4分の3免除180月:月額7926円/年額9万5112円
- 納付300月+半額免除180月:月額7926円/年額9万5112円
- 納付300月+4分の1免除180月:月額5719円/年額6万8628円
- 納付240月+全額免除240月:月額8694円/年額10万4328円
- 納付420月+学生納付特例60月:月額4918円/年額5万9016円
- 納付420月+未納60月:月額4918円/年額5万9016円
※納付済期間分は5620円×納付済月数÷480、免除期間分は1万1768円(4分の1免除は5884円)×免除月数÷480で算出し、円未満は四捨五入しています。
注目したいのは、40年間フルに納めた場合の月額5620円を上回るケースがあることです。納付240月と全額免除240月の組み合わせでは月額8694円となり、満額納付の1.5倍を超えます。
また、全額免除も4分の3免除も半額免除も、給付金の計算上の単価は同じ1万1768円です。免除の度合いが違っても給付金の額は変わらない点は、あまり知られていないかもしれません。
ただし、これは年金生活者支援給付金だけを取り出して比べた場合の話です。老齢基礎年金そのものは免除を受けた期間の分だけ少なくなるため、受け取る総額でみれば納付済期間が長いほうが多くなります。給付金の金額だけで有利不利を判断しないようにしたいところです。
6.2 学生納付特例と未納は年金生活者支援給付金の計算では同じ扱い
一方で気をつけたいのが、学生納付特例期間と納付猶予期間の扱いです。これらは老齢基礎年金の年金額に反映されない期間であり、給付金の免除期間分にも算入されません。表のとおり、給付金の金額は未納期間がある場合と同じになります。
ただし学生納付特例期間と納付猶予期間は、受給資格期間には算入されます。年金を受け取る権利そのものにはつながっている点が、未納とは決定的に異なります。
自分の納付済期間と免除期間の内訳は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。免除や猶予の手続きをした記憶がある方は、どの区分で記録されているかを見ておくとよいでしょう。
7. まとめにかえて
本記事では、老齢年金生活者支援給付金の支給要件と2026年度の給付額、支給日、そして「緑の封筒」が届いたときの請求手続きについて紹介しました。
2026年度の給付基準額は月額5620円で、前年度から3.2%の引き上げとなりました。ただし支給には「65歳以上」「世帯全員が住民税非課税」「所得80万9000円以下」などの要件があり、対象になっても請求手続きをしなければ受け取れません。
心当たりのある方は、まずご自身に「緑の封筒」が届いているかどうかを確認してみてください。届いた場合は、郵送のほか電子申請でも提出できます。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「65歳の誕生日を迎える方で、老齢基礎年金を繰上げ受給している方」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の振り込みはいつですか。」
- 日本年金機構「Q.「支給金額変更通知書」(または「不該当通知書」)が届きました。なぜですか。」
- 日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」
中本 智恵
