3. 【利回り別】新NISAで積立投資した場合、20年後の資産額はいくらになる?

本章では、毎月3万円を20年間積み立てた場合について、利回りごとのシミュレーションをもとに資産の変化を確認していきます。

3.1 利回り3%で運用した場合の資産額

毎月3万円を積み立て、期間を20年間、想定利回りを年3%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。

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利回り3%で運用した場合

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

  • 投資元本:720万円
  • 運用収益:261万円
  • 資産合計(元本+収益):981万円

3.2 利回り5%で運用した場合の資産額

毎月3万円を積み立て、期間を20年間、想定利回りを年5%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。

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利回り5%で運用した場合

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

  • 投資元本:720万円
  • 運用収益:497万円
  • 資産合計(元本+収益):1217万円

3.3 利回り10%で運用した場合の資産額

毎月3万円を積み立て、期間を20年間、想定利回りを年10%とした場合の将来の資産額は、以下のとおりです。

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利回り10%で運用した場合

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

  • 投資元本:720万円
  • 運用収益:1435万円
  • 資産合計(元本+収益):2155万円

年利3%を想定したシミュレーションでは、20年間の積立による運用益はおよそ261万円となり、預金のみの場合と比べると、資産を増やす効果が期待できるといえるでしょう。

さらに、年利5〜10%で運用できた場合には、約497万円〜1435万円の運用益が見込まれ、最終的な資産合計は元本を大きく上回ることになります。

4. 資産差はいくら?「貯金 vs 投資」の決定的な違い

ここまで見てきたとおり、毎月3万円を20年間積み立てた場合、銀行預金では最終的な資産額は約742万円にとどまります。一方で、新NISAを活用した積立投資では、利回りによって大きな差が生まれます。

たとえば、年利3%で運用した場合は約981万円となり、預金と比べて239万円の差が生じます。さらに、年利5%では約1217万円、年利10%では約2155万円となり、預金との差はそれぞれ475万円、1413万円に広がります。

この差を生み出している要因が「複利」です。複利とは、運用によって得た利益が元本に組み込まれ、その利益にもさらに利益がついていく仕組みを指します。

積立投資の初期段階では、貯金との違いはそれほど大きくありません。しかし、運用期間が長くなるにつれて利益が積み重なり、後半になるほど資産の増え方が加速していきます。

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「貯金 vs 投資」の決定的な違い

出所:金融庁「「貯める・増やす」 ~ 資産形成」

このように、将来に向けた資産形成においては、早期のスタートと長期にわたる継続が極めて重要なカギを握っています。とりわけ運用の期間を長く確保することは、投資の成果を左右する大きな要素となります。

今後の運用成績を確実に見通すことは困難ですが、長期間にわたって取り組むことで、年3%を上回る成果を目指すことも決して不可能ではありません。

4.1 相場下落で2年間積立を止めると、20年後にいくら減る?

ここまでは「20年間続けられた場合」の話でした。しかし現実には、相場が下がった時期や家計が苦しい時期に、積立を止めるかどうかで迷う場面が訪れます。そこで、途中で2年間だけ積立を止めた場合に何が起きるかを試算してみます。年利5%、月3万円・20年という同じ条件で、5年目から2年間ストップしたケースです。

【20年間そのまま継続】
投資元本720万円 → 約1233万円

【5年目から2年間ストップ】
投資元本648万円 → 約1089万円

【差】
約1233万円 - 約1089万円 = 約145万円

止めた2年間に積み立てるはずだった元本は72万円です。それが20年後には約145万円の差になっています。積み立てなかった金額の、およそ2倍が失われる計算です。これは、その72万円が残りの期間で運用されるはずだった複利の効果まで、まとめて失われるためです。

4.2 「止める」のではなく「減額して続ける」と、どう変わる?

では、家計が苦しい2年間を、ゼロにするのではなく月1万円に減額して乗り切った場合はどうなるでしょうか。同じ条件で比べてみます。

【2年間ストップ】
約1089万円(継続との差:約145万円)

【2年間だけ月1万円に減額】
約1137万円(継続との差:約96万円

【ストップと減額の差】
約1137万円 - 約1089万円 = 約48万円

2年間の負担を月2万円ずつ軽くしながら、20年後の差は約48万円小さくなります。苦しい時期に「ゼロか、続けるか」の二択で考えると止める方向に傾きがちですが、その間だけ減らすという第三の選択肢を持っておくことで、失うものは小さくできます。

なお、上記は年利5%が一定で続くと仮定した試算です(金融庁のシミュレーターとは計算方法が異なるため、継続時の合計額に若干の差があります。ここでは差額の比較としてご覧ください)。投資信託には元本割れの可能性があり、実際の運用成果を保証するものではありません。

横野 会由子
積み立てなかった72万円が、20年後には145万円の差になる。この数字を見ていただくと、「止める」という判断の重さが伝わりやすいように思います。苦しいときは、まず減額を検討していただければと思います。

5. 評価額が下がると積立をやめたくなっていませんか。新NISAを続けるための考え方をファイナンシャルアドバイザー・横野会由子が解説

相場が下げた局面になると決まって増えるのが、「積立をいったん止めたほうがいいのでしょうか」というご相談です。損をしているように見える月に買い続けることへの抵抗が、その背景にあります。ここでは、新NISAでの積立を続けるかどうか迷われていた方の一事例をもとに、ファイナンシャルアドバイザーの横野会由子さんに伺った考え方を紹介します。

5.1 「マイナスの月に買い続けていいのか」と迷っていませんか

40代のご相談者
毎月コツコツ積み立ててきたのに、評価額が下がっているのを見ると、このまま買い続けていいのか分からなくなります。あまりにマイナスの月は、口座を開いて確認するのも気が進みません。家計の負担感とも重なって、一度手を止めたほうがいいのではと思ってしまいます。

値下がりが続くと、積み立てた分が減っていくように感じられ、手を止めたくなるものです。続けられるかどうかを分けるのは、意志の強さよりも、下落局面で何が起きているかをどう理解しているかだと感じます。相談の場でも、そこをお伝えしたところで受け止め方が変わる方は少なくありません。

5.2 【ファイナンシャルアドバイザー・横野会由子が回答】意志の強さではなく、続けられる仕組みで考える

横野 会由子
つみたて投資は、下がっている間もつみたてを続ける方が将来資金を増やせる可能性もございます。どうしても続けることが難しくなった場合、完全にストップするのではなく金額の調整も含めて検討しましょう。
下がっている原因によって適切な選択が異なりますので、まずは原因を確認しましょう。

5.3 ポイント1:下がった月に何が起きているかを確認する

毎月一定額を積み立てる方式では、価格が下がった月ほど多くの口数を買うことになります。同じ金額でより多く買えている、という事実を知るだけで、下落局面の見え方は変わります。ただし、口数が増えることと将来の利益が確保されることは別の話です。価格は今後も上下しますし、買い増した分が想定どおりに評価額へ反映されるとは限らない点も、あわせて押さえておきたいところです。

5.4 ポイント2:中断ではなく「減額してでも続ける」という選択肢を持つ

止めてしまうと、値が戻る局面があったときに、それをまるごと逃すことになります。記事中の試算のとおり、2年間の中断は20年後に約145万円の差を生みますが、同じ2年間を月1万円に減額して乗り切れば、差は約96万円に縮まります。家計が苦しいときは中断ではなく減額にとどめ、収入が安定してから積立額を戻していく形が現実的です。減額であれば毎月の負担を抑えながら、積み立てる習慣そのものは手元に残ります。

5.5 ポイント3:投資先を分散し、確認する頻度を決めておく

全世界株式のように広く分散された商品を選んでおくと、特定の国や業種の値動きだけに一喜一憂しにくくなります。分散は値動きの幅を抑えることを狙う考え方であって、損失を防ぐ仕組みではありませんが、残高を確認する頻度をあらかじめ決めておくことと合わせて、続けやすさにつながります。

なお、積立を続けても値下がりした分が必ず回復するとは限らず、投資信託には元本割れの可能性があります。積立額や商品の選択は、ご家庭の収支と目的に応じて判断することが大切です。前提となる収入や家族構成、資金が必要になる時期は一人ひとり異なります。ご自身の状況に当てはめて考える際は、商品の内容や手数料も確認したうえで、個別に専門家へご相談ください。

6. まとめにかえて|苦しい時期の選択肢を「二択」にしない

毎月3万円を20年間積み立てた場合、銀行預金では約742万円ですが、新NISAで年利3%なら約981万円、5%なら約1217万円と、大きな差が生まれます。この差を生むのが複利であり、複利を効かせるには時間が必要です。

今回の試算では、途中で2年間積立を止めると20年後に約145万円少なくなること、同じ2年間を月1万円に減額して乗り切れば差は約96万円にとどまることを確認しました。積み立てなかった元本72万円に対して、失われるのはその約2倍です。

相場が下がったときや家計が苦しくなったとき、「続けるか、止めるか」の二択で考えると、止める方向に傾きがちです。その間だけ減額するという選択肢を持っておくこと。それが、長く続けるための現実的な備えになります。

【免責事項】

  • 本記事は、公開されている公的資料および一般的な情報に基づき作成されたものであり、特定の制度・金融商品・投資行動を推奨するものではありません。
  • 掲載している数値・制度内容・シミュレーション結果は、一定の前提条件のもとでの試算または一般的な事例であり、実際の金額・支給要件・税制・運用成果等を保証するものではありません。制度内容は法改正・自治体運用・経済状況等により変更される可能性があります。
  • 投資に関する記述は、将来の運用成果を示唆または保証するものではなく、元本割れを含むリスクが存在します。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。最終的な投資判断は、ご自身の責任において行ってください。

参考資料

横野 会由子