3. 年金生活者支援給付金、全国約781万件が受給中!受給者多いのはどこ?都道府県別の実態

厚生労働省が公表している「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和7年3月時点の受給状況は次の通りです。

  • 年金生活者支援給付金 全体:781万9978件/給付金総額 月額338億57百万円
  • 老齢年金生活者支援給付金:450万4441件/平均給付金額 月額4146円
  • 補足的老齢年金生活者支援給付金:106万664件/平均給付金額 月額2177円

3.1 受給者の年齢層・地域分布

老齢年金生活者支援給付金の受給者は70歳未満から90歳以上まで幅広く分布しており、80〜84歳の層が95万件余りと最も多くなっています。

老齢年金生活者支援給付金の年齢階級別の件数は次の通りです。

  • 70歳未満:44.0万件
  • 70〜74歳:56.1万件
  • 75〜79歳:85.9万件
  • 80〜84歳:95.0万件(最多)
  • 85〜89歳:82.8万件
  • 90歳以上:86.5万件

3.2 都道府県別に見ると

東京都、大阪府、神奈川県などの大都市圏で件数が多い傾向が見られました。人口規模を反映した結果とはいえ、都市部にも低所得の年金受給者が一定数存在していることがうかがえます。

都道府県別 件数(老齢年金生活者支援給付金・上位5件)5/5

都道府県別 件数(老齢年金生活者支援給付金・上位5件)

出所:厚生労働省「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年3月時点の認定分)

件数が多い都道府県の上位5件は次の通りです。

  • 大阪府:39.6万件
  • 東京都:39.6万件
  • 神奈川県:27.6万件
  • 埼玉県:22.6万件
  • 兵庫県:22.6万件

人口の多さを反映した順位ではありますが、比較的物価や住居費が高い大都市圏においても、日々の生活を成り立たせるために給付金のサポートを必要とされているシニア世代が多くいらっしゃることがデータから読み取れます。

4. 住民税非課税世帯向けの給付金との違いと手続きのポイント

この給付金は「世帯全員が住民税非課税であること」が要件のひとつになっているため、いわゆる「住民税非課税世帯」向けの各種給付金と対象が重なる場面も少なくありません。一方で、次のような違いもあります。

  • 住民税非課税世帯向けの給付金:自治体ごとに実施される一時的なものが多い
  • 年金生活者支援給付金:条件を満たす限り継続的に支給される、恒久的な制度

対象になる可能性がある方には、日本年金機構から請求書(はがき型)が送られてきますので、届いた場合は早めに返送することが大切です。

村岸 理美
年金生活者支援給付金は、一度きりの給付金と違って、条件を満たしている間はずっと受け取れる恒久的な制度です。ご自身やご家族の住民税の課税状況が変わったタイミング(退職や世帯分離など)で、新たに対象になる可能性もあります。心当たりがある方は、年金事務所や給付金専用ダイヤルに一度相談してみると、思わぬ支援につながるかもしれません。

5. まとめにかえて

今回は、年金生活者支援給付金の支給要件や受給状況について解説しました。この給付金は、世帯全員が住民税非課税であり、前年の所得が一定基準以下の老齢基礎年金受給者に対して、月額5620円などを基準に年金に上乗せして支給される大切な生活支援制度です。全国で約781万件の受給実績があり、条件を満たす限り継続して受け取れるため、ハガキが届いた際の速やかな手続きが非常に重要となります。

国の支援制度の多くは、自分から行動を起こして申請しないと恩恵を受けられない「申請主義」となっています。情報を知っているかどうかで、老後の安心感は大きく変わってきます。ご自身の手続きはもちろんですが、離れて暮らす親御さんが受け取り漏れをしていないか、ご家族で声を掛け合って確認し、利用できる制度はしっかりと活用していきましょう。

参考資料

徳田 椋