2026年も9月に入り、今年度の年金支給も残すところ10月(5回目)と12月(6回目)のあと2回となりました。2026年1月23日には厚生労働省より今年度(令和8年度)の年金額改定が発表され、公的年金はプラス改定となったものの、長引く物価高の影響でシニア世代の家計への負担は依然として重い状況が続いています。
私がFP(ファイナンシャルプランナー)として日々の家計相談をお受けする中でも、「物価が上がって生活が苦しいけれど、自分は給付金の対象になるのでしょうか」「どうすればもらえるのでしょうか」といった切実なお問い合わせを多数いただきます。
実は、制度の仕組みや申請方法を詳しく知らないために、受け取れるはずの給付金を見落としてしまっているケースは決して少なくありません。
公的年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」は、一度きりではなく、条件を満たせば継続して受け取れるもので《老齢・障害・遺族》年金受給者それぞれが対象者である3種類の給付金です。とりわけ、老齢年金生活者支援給付金に関してはシニアにとって非常に大切なサポート制度です。本記事では、この老齢年金生活者支援給付金を受け取るための3つの条件や生年月日別の所得基準、全国の受給実態、そして住民税非課税世帯向けの各種給付金との違いについて分かりやすく解説していきます。
1. 【老齢年金生活者支援給付金】受け取るための「3つの必須条件」
厚生労働省の特設サイトによると、老齢年金生活者支援給付金を受け取るための要件は、次の3つです。すべてを満たす必要があります。
- 65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
- 請求する方の世帯全員の市町村民税が非課税となっている
- 前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計が、生年月日ごとの所得基準以下である
世帯の中に住民税が課税されている家族が1人でもいると、対象からは外れてしまう点に注意が必要です。
1.1 所得基準額(生年月日別)
所得基準額は生年月日によって次のように分かれています。
- 昭和31年4月2日以後生まれ:92万6500円以下なら老齢年金生活者支援給付金の対象。82万6500円超〜92万6500円以下なら補足的老齢年金生活者支援給付金の対象
- 昭和31年4月1日以前生まれ:92万4100円以下なら老齢年金生活者支援給付金の対象。82万4100円超〜92万4100円以下なら補足的老齢年金生活者支援給付金の対象
※所得には、公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計を用いる。障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない。
2. 【生年月日別】老齢年金生活者支援給付金の対象となる所得基準額はいくら?
給付額は一律ではなく、国民年金の保険料納付済期間や免除期間に応じて、次の2つの額を組み合わせて個人ごとに計算されます。
- 保険料納付済期間に基づく額:5620円 × 納付済期間(月数)÷ 480月
- 保険料免除期間に基づく額:1万1768円 × 免除期間(月数)÷ 480月
納付期間が短かったり、免除期間が多かったりすると、基準額の5620円より少ない金額になる場合もあります。
2.1 給付額の計算方法
給付額(月額)は、次の2つを足して決まります。
- (1)保険料納付済期間に基づく額:5620円 × 保険料納付済期間(月数) ÷ 480月
- (2)保険料免除期間に基づく額:1万1768円 × 保険料免除期間(月数) ÷ 480月
- 給付額(月額)=(1)+(2)
