国家公務員の給与が気になる方も多いでしょう。同じ仕事をしていても、勤務地によって給与に差がつく仕組みがあることをご存じでしょうか。
人事院は令和8年8月7日の勧告で、令和9年度の地域手当の級地別支給割合を示しました。級地の数が7区分から5区分に減り、支給割合が大きく変わる地域も出てきます。
この記事では、勧告に示された令和9年度の級地区分と、支給割合がどれだけ動くのかを確認していきましょう。
1. 令和9年度の地域手当は級地が5区分に集約される
地域手当は、勤務地の民間賃金の水準を給与に反映させるための手当です。まず区分がどう変わるのかを見ていきます。
1.1 見直し前は7つの級地に分かれていた
見直し前の区分は、1級地が20パーセント、2級地が16パーセント、3級地が15パーセントでした。
以下、4級地が12パーセント、5級地が10パーセント、6級地が6パーセント、7級地が3パーセントと続きます。
これに支給割合が0パーセントの非支給地を加えた8つの段階で運用されてきました。
1.2 見直し後は1級地から5級地までの5区分になる
人事院勧告の別表第6に示された令和9年度の区分は、1級地20パーセント、2級地16パーセント、3級地12パーセント、4級地8パーセント、5級地4パーセントの5つです。
これに非支給地の0パーセントを加えた6段階になります。
4パーセント刻みでそろえられ、これまでの15パーセント、10パーセント、6パーセント、3パーセントという区分はなくなる形です。
2. 改定幅は最大でプラス16ポイント、下がる区分もある
区分が減るということは、いまの級地がどこに移るかで支給割合が動くということです。別表第6には、見直し前後の組み合わせごとの改定幅も示されています。
2.1 いちばん大きく上がるのは非支給地から2級地への移行
これまで非支給地だった地域が2級地に移ると、支給割合は0パーセントから16パーセントになります。
改定幅はプラス16ポイントで、示された組み合わせのなかでもっとも大きい動きです。
6級地6パーセントから2級地16パーセントへの移行はプラス10ポイント、非支給地から4級地8パーセントへの移行はプラス8ポイントとなっています。
2.2 支給割合が下がる組み合わせもある
一方で、支給割合が下がる組み合わせも示されています。
2級地16パーセントから3級地12パーセントへ、4級地12パーセントから4級地8パーセントへ移る場合は、いずれもマイナス4ポイントです。
7級地3パーセントから非支給地に移る場合はマイナス3ポイントで、地域手当そのものがなくなります。
上がる地域だけでなく、下がる地域もあることは押さえておきたい点です。
もとになる額が30万円だとすると、マイナス4ポイントは月1万2000円の減額です。1年では14万4000円になります。
7級地から非支給地に移る場合は、地域手当そのものがなくなります。もとになる額が30万円なら月9000円、1年で10万8000円が消える計算です。
3. 支給割合が変わると地域手当の額はどれだけ変わるのか
地域手当は、算定の基礎となる額に支給割合を掛けて計算します。割合が変わると額がどれだけ動くのかを、仮の数字で見てみましょう。
算定の基礎となる額が30万円だとすると、支給割合4パーセントで月1万2000円、16パーセントで月4万8000円です。
その差は月3万6000円で、1年に直すと43万2000円になります。
級地が1つ動くだけでも、年間で数十万円の違いが出る計算です。
なお、級地の判定は、人事院の通知で「民間賃金の指数が全国平均の指数の100分の93.0以上であることを基本として」行うとされています。地域の賃金水準が変われば、級地も見直される仕組みです。
地域手当は勤務地で決まるので、自分では動かしにくい部分です。役場で保険料の計算を担当していた頃も、給与に含まれる手当が翌年の保険料に響くという話は窓口でよく出ました。支給割合が変わる年は、手取りとあわせて翌年の負担まで見ておくと安心です。
