4. 自分の勤務地がどの級地になるかを確かめる方法

気になるのは、自分の勤務地がどの級地に入るかでしょう。ここは勧告の別表第6だけでは分かりません。

4.1 級地は現在、市町村を単位に定められている

どの地域が何級地になるかは、人事院規則九―四九(地域手当)で定められています。現在の別表を見ると、札幌市や仙台市のように市の名前で指定されている地域が並んでいます。

ただし令和9年度からの見直しでは、級地の区分を都道府県単位で設けることを基本とし、中核的な市は個別に指定する形に改める方針が示されています。市町村ごとに細かく分かれている現在の形とは、設定の単位そのものが変わります。

勧告の別表第6が示しているのは、級地ごとの支給割合と改定幅までです。どの地域がどの級地に入るかの一覧は含まれていません。

勧告の段階では地域ごとの区分が確定していないこともあり、実際の適用は今後の規則の改正を待つことになります。

4.2 判定のもとになるのは民間賃金の水準

級地の判定は、その地域の民間賃金の指数が全国平均に対してどの水準にあるかを基本にしています。

地域の賃金が上がれば級地が上がることもあれば、相対的に下がって級地が下がることもあります。

勤務地が変わらなくても支給割合が動く可能性がある点は、頭に入れておきたいところです。

5. 地域手当が変わると、翌年の負担にもつながる

地域手当は給与の一部です。役場で保険料の計算を担当していた立場から、手当が増減したときに何が動くのかをお伝えします。

5.1 手当は社会保険料を計算するもとに含まれる

健康保険や厚生年金保険の保険料は、給与から支払われる手当を含めた報酬をもとに計算します。

地域手当が増えれば、その分だけ保険料の計算のもとになる額も増える仕組みです。

手当が増えた分がそのまま手取りに乗るわけではないという点は、押さえておきたいところです。

5.2 退職した翌年の国民健康保険料にも響く

退職して国民健康保険に加入する場合、保険料は前年の所得をもとに計算します。

地域手当を含めた給与が高かった年の翌年は、その分だけ保険料も高くなります。

保険料の計算を担当していた頃も、退職した年の保険料の高さに驚いて窓口に来られる方がいました。退職の前に、翌年の負担がどのくらいになるかを見ておくと落ち着いて構えられます。

5.3 分からないときの相談先

在職中の給与や手当の扱いは、勤務先の給与担当と加入している共済組合が窓口です。

退職後の国民健康保険料や後期高齢者医療保険料については、住んでいる市区町村の窓口で試算してもらえます。

6. まとめ

令和8年8月7日の人事院勧告で、令和9年度の地域手当の級地別支給割合が示されました。

級地は7区分から5区分に集約され、非支給地から2級地16パーセントへ移る場合はプラス16ポイント、2級地16パーセントから3級地12パーセントへ移る場合はマイナス4ポイントとなります。

地域名ごとの区分は人事院規則で定められるため、勧告の段階では自分の勤務地がどうなるかまでは分かりません。

支給割合が動けば、手取りだけでなく退職後の保険料にもつながります。まずは自分の給与明細で、いまの地域手当がいくらなのかを確かめるところから始めてみてください。

参考資料

太田 彩子