40代に多い「今のまま貯金をしているだけでは老後資金が足りず、物価上昇によって資産の価値も目減りしてしまうのではないか」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・橋本優理が伝えたいこと
正社員からパートなどの非正規雇用に働き方を変えた場合、将来の年金がどうなるのか不安に感じるという声をよくいただきます。特に40代・50代になり、今後のライフスタイルや働き方を見直すタイミングで、老後資金への影響を懸念する方が多いようです。
40代に多いお悩み相談は「今のまま貯金をしているだけでは老後資金が足りず、物価上昇によって資産の価値も目減りしてしまうのではないか」

【ファイナンシャルアドバイザー・橋本優理が回答】年金見込額の試算と制度の使い分けで備える
老後の生活費に対して赤字が出そうな場合は、65歳までの期間を利用して資産運用に取り組んでおくのも良いでしょう。
また国民年金加入者には、年金額を上乗せできる「国民年金基金」もあります。
まずは不安の正体を明確にし、将来に対してできることを逆算して考えていきましょう。
ポイント1:働き方が変わった場合の年金受給額をシミュレーションする
まず見直したいのは、働き方が変わった場合の具体的な年金受給額のシミュレーションです。この方も当初は漠然とした不安を抱えていましたが、「実際に年金額を再試算してみると、老後資金の不足額が想定よりも大きいことに気づかされた」と振り返るように、現実的な数字と向き合うことが第一歩となります。働き方を変える前に、将来の年金がいくらになるのかを把握することは、老後に向けた準備を始めるうえで欠かせない視点になります。
ポイント2:自身の働き方に合った制度を選ぶ
そのうえで、不足する老後資金を補うための制度選びが重要になります。「老後の資金準備であればiDeCoを利用すればいいと考えていたが、非課税と節税の違いや、働き方によって得られるメリットが変わること、さらに引き出し制限があることを知り、優先順位が変わった」という気づきの通り、制度の表面的なイメージだけで判断しないことが大切です。特にパートなどの非正規雇用で収入が変化する場合、所得控除の恩恵が小さくなる可能性もあるため、自身の働き方に合った制度を選択することが、将来の柔軟な資金計画において重要になります。
ポイント3:資産の置き場所を分散させる
また、ひとつの運用方法に依存せず、資産の置き場所を分散させることも欠かせません。この方は最終的に、「NISAと個人年金、そして手元の貯蓄という3つの柱で運用していくことが、リスク分散の観点からもバランスが良いと分かった」と話すように、それぞれの役割を理解したうえで組み合わせる方針へとたどり着きました。流動性の高い貯蓄、非課税メリットを活かしたNISA、そして将来の確実な備えとしての個人年金など、目的別に資産を分ける考え方は、働き方や収入に変化が生じやすい世代にとってより大切になります。
働き方が変わると年金が減ってしまうと決めつける前に、まずは具体的な年金見込額の試算、自身の働き方に合った制度の比較、そして複数の運用手段の組み合わせを一つずつ整理してみることが、将来に向けた安心の出発点になります。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等」
- 厚生労働省「2024年12月からiDeCoの拠出限度額が1.2万円→2万円になります(国家公務員・地方公務員の皆さまへ)」
- 厚生労働省「令和7年度税制改正における企業年金・個人年金制度の見直しについて(社会保障審議会企業年金・個人年金部会参考資料)」
橋本 優理
