4. 【2026年夏】大手企業の夏のボーナスは「平均100万円超」へ
年収を左右する一つの要素に「賞与(ボーナス)」もあります。最新の動きも確認しておきましょう。
経団連が2026年8月に公表した「2026年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均)」最終集計によると、大手企業の2026年夏の賞与・一時金の総平均は104万2537円でした。前年より7.04%の増加で、2年連続の増加で100万円を超えています。近年つづく基本的な賃上げの流れが、月々の給与だけでなく、ボーナスにも表れてきているといえます。
ただ、ここでも業種による開きは小さくありません。
金額が高かったのは造船(約129万円)や食品(約122万円)などで、100万円を大きく上回りました。一方で、航空(約71万円)や紙・パルプ(約74万円)のように、70万円台にとどまる業種もあります。
同じ「大手企業」でも、業種によって手にする額は数十万円変わってくるのですね。そしてそれは、その時代によっても移りゆくものでしょう。このように給与でみた業種の傾向とあわせると、収入の全体像がよりつかみやすくなります。
気をつけたいのは、この数字が従業員500人以上の大手248社を対象とした調査だという点です。中小企業や非正規雇用は含まれていません。報道される平均額をみて「自分のボーナスはこれより少ない」と感じても、それは決して珍しいことではないのです。給与も賞与も、平均は世の中の流れをつかむ手がかりとしつつ、ご自身の業種や働き方に引き寄せて受け止めることが大切だと思います。
5. まとめにかえて
あらためてお伝えしたいのは、年収の多い少ないだけで、暮らしの豊かさや将来の安心が決まるわけではない、ということです。証券会社で多くの方の資産形成に寄り添ってきて実感するのは、大切なのは、入ってきた収入のうち、どれだけを自分の将来のために取り分けられるか、という点です。年収1000万円でも残せない人がいる一方で、平均的な年収でもしっかり備えている人がいます。業種による差も、たしかに小さくありません。転職やキャリアを考えるとき、平均年収の高い業種を知っておくことは一つの参考になります。ただ、年収だけで仕事を選ぶと、働きがいや生きがい、続けやすさなどを見落としてしまうこともあります。数字は判断材料の一つとして受け止め、ご自身が納得して働ける場所を土台に、家計と将来の備えを整えていくのがよいのではないでしょうか。まずは毎月の収支を把握し、収入の一部を先に取り分ける。むずかしいことをする必要はありません。今回のデータが、ご自身の働き方とお金を見直すきっかけになればうれしく思います。
参考資料
宮野 茉莉子
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
くらしとお金の経済メディア『LIMO』編集長/専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』副編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
くらしとお金の経済メディア『LIMO(リーモ)』編集長、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』副編集長。
東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社入社。首都圏の支店にて数百名の個人顧客を担当し、現役世代からシニアまで国内外の株式・債券・投資信託・保険商品を通じた資産運用コンサルティングに従事。
【資格】2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格試験(証券外務員一種)合格、ビジネスマネジャー検定試験合格、中学校・高等学校教員免許(社会・公民)。
現在は株式会社モニクルリサーチにて、厚生労働省や金融庁など官公庁の一次資料をもとに、公的年金、社会保障制度、資産運用・資産形成、キャリアをテーマとした記事を企画・執筆・編集・監修。金融機関での実務経験と管理職経験を生かした解説を行う。2011年より執筆活動を開始。編集方針は「正しいこと・わかりやすいこと・多角的であること」。
専門家の視点と、3児を育てるひとり親としての生活者の視点を記事づくりに生かしている。(2026年10月11日更新)