2026年8月14日は、公的年金の支給日です。この機会に、「今のシニア世代は、実際に年金を月どのくらい受け取っているのか」を確認してみましょう。
現役世代にとって老後資金の準備が重要な課題だとわかっていても、目先の物価高を乗り越えるだけで精一杯という世帯は少なくないでしょう。食品メーカー各社による値上げも、2026年に入ってからさらに続いています。
そうしたなか、NISAで資産運用を始めて資産を大きく増やした人がいる一方、「NISA貧乏」という言葉が生まれたように、NISAで運用しなくてはという気持ちが先立ち、今の暮らしにゆとりがなくなってしまっている人もいるかもしれません。
本記事では、厚生労働省の最新データからシニア世代の年金受給額の実態を確認するとともに、老後資金の準備とNISAでの資産運用のバランスをどう考えればよいか、判断のポイントを解説します。
この記事では「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」を引用しています。
この記事の3つのポイント
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厚生年金の平均月額は15万289円、男女差は約6万円 -
国民年金は男性6万1595円、女性5万7582円が平均 -
老後資金をNISAに回す前に確認したい判断ポイント
令和8年度の年金額はいくら?
公的年金の受給額は、物価や賃金の動向を踏まえて年度ごとに見直されます。2026年6月支給分(4月・5月分)からは、国民年金(基礎年金)が前年度から1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられました。
- 国民年金(老齢基礎年金・満額、1人分):7万608円(前年度比+1300円)
- 厚生年金(夫婦2人分のモデル年金):23万7279円(前年度比+4495円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(前年度比+1300円)
※厚生年金のモデル年金は、「男性の平均的な収入(平均標準報酬〈賞与含む月額換算〉45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金〈満額〉)の給付水準
このモデル年金23万7279円は、あくまで平均的な収入で40年間働いた世帯を想定した「例」であり、実際に受給者一人ひとりが受け取っている平均額とは異なります。次の章では、実際の受給者全体の平均額を確認してみましょう。
厚生年金・国民年金、実際の平均月額と男女差
ここからは、実際に年金を受け取っている全受給権者(60歳~90歳以降)の年金月額を、厚生労働省の統計から確認します。
厚生年金(国民年金を含む)の平均月額
- 全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
国民年金の平均月額
- 全体:5万9310円
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
厚生年金は男女差が6万円ほどあるのに対し、国民年金の男女差は数千円程度にとどまります。これは、厚生年金の受給額が現役時代の収入や加入期間に大きく左右されるためです。次のページでは、この個人差がどのような働き方の違いから生まれているのかを、具体的なケースで見ていきます。
物価高のなか、老後資金はNISAに回すべき?
ここまでの数字を見て、「思ったより少ない」「自分もこのくらいなのだろうか」と感じた方もいるかもしれません。老後資金を少しでも増やすために、NISAでの運用を始めるべきかと考える方も多いでしょう。
一方で、2026年に入ってからも食品の値上げは続いており、日々の生活を維持するだけで精一杯という世帯も少なくないはずです。
こうした状況で、「NISAをやらなければ」という気持ちに焦って無理に投資に回すと、日々の生活資金が不足してしまうこともあります。老後資金の準備とNISAへの資金配分を考える際は、次のような順番で考えてみるのも一つの方法です。
- まずは、病気や失業など不測の事態に備えて、生活費の3~6カ月分程度を現金で確保する
- そのうえで、毎月の収支の中で無理なく余った分をNISAに回す
- 年間の投資枠を無理に埋める必要はなく、生活に支障が出ない範囲で継続することを優先する
NISAは非課税で運用できる制度ですが、生活資金を削ってまで枠を埋めることを目的化してしまうと、本来の「無理のない資産形成」から外れてしまいます。
次のページでは、年金額の個人差がどこから生まれるのかを詳しく見たうえで、老後資金の考え方についてもう一歩踏み込んで解説します。


