4. 課税所得145万円以上でも3割の対象外になる2つのケース

住民税課税所得が145万円以上であっても、一定の条件を満たせば、3割負担の対象から外れる仕組みがあります。

課税所得145万円以上でも「3割」の対象外になる2つのケース2/2

課税所得145万円以上でも3割の対象外になる2つのケース

出所:東京都後期高齢者医療広域連合「自己負担割合」をもとにLIMO編集部作成

1つ目は、昭和20年1月2日以降生まれの被保険者と、同じ世帯の被保険者の「保険料計算のもととなる所得金額」の合計が210万円以下になる場合です。この場合は申請をしなくても、自動的に3割の対象外として扱われます。

2つ目は「基準収入額適用申請」と呼ばれる手続きで、被保険者が1人の世帯なら年間収入383万円未満(同じ世帯に70歳から74歳の家族がいる場合は、その方との収入合計が520万円未満)、2人以上の世帯なら年間収入合計520万円未満という基準を満たし、市区町村の窓口に申請して認定される必要があります。ここでいう「収入」は、必要経費や公的年金等控除を差し引く前の金額である点に注意が必要です。認定されると、申請した月の翌月1日から3割の対象外に切り替わります。

筒井 亮鳳
課税所得だけを見て「3割になってしまう」と思い込み、この基準収入額適用申請を知らずに過ごしている方に出会うことがあります。

特に、退職金の受け取り方や不動産の譲渡があった年は、一時的に所得や収入が膨らみやすく、翌年度の判定に影響することがあります。ご自身の市区町村では、対象者を自動で確認してくれる場合と、申請が必要な場合があるため、通知が届いたら金額の根拠と合わせて、お住まいの市区町村の窓口に一度確認してみることをおすすめします。

5. まとめ

後期高齢者医療制度の窓口負担が3割になるかどうかは、本人の所得だけでなく、「同じ世帯の被保険者に住民税課税所得が145万円以上の方が1人でもいるか」 という、世帯内の個人を基準とした判定である点が重要です。

課税所得145万円以上でも、収入基準を満たせば申請によって3割の対象から外れる仕組みも用意されています。ご自身やご家族の負担割合が気になる場合は、住民税の課税所得と年間収入の両方を確認したうえで、必要に応じてお住まいの市区町村の窓口に相談してみてください。

参考資料

筒井 亮鳳