【国民年金・厚生年金】平均でどのくらい受け取っている?

そもそも、現代のシニアはどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金のみを受け取る場合と、国民年金+厚生年金を受け取る場合の平均月額を見てみましょう。

【国民年金の平均月額】

国民年金の平均月額7/10

国民年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体 5万9310円
  • 男性 6万1595円
  • 女性 5万7582円

【厚生年金の平均月額】

厚生年金の平均月額8/10

厚生年金の平均月額

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体 15万289円
  • 男性 16万9967円
  • 女性 11万1413円

※国民年金部分を含む

国民年金の平均月額は5万9310円、基礎年金部分を含む厚生年金の平均月額は15万289円となっています。ただし、年金額は現役時代の収入や加入期間によって大きくばらつきます。厚生年金を含めても、受給額は1万円未満から30万円以上まで幅広く分布しており、平均値だけでは実態をつかみにくいのが実情です。

なお、老齢年金生活者支援給付金制度の対象になるには、公的年金等の収入が90万9000円(昭和31年4月2日以後に生まれた方)以下である必要があります。したがって、収入が年金のみであれば、月額約7万5750円以下が目安となります。

高齢者世帯の家計は年金が6割超|上乗せ給付を軽視できない理由

ここまで年金生活者支援給付金の仕組みを見てきましたが、そもそも高齢者世帯の家計において、年金はどの程度の位置を占めているのでしょうか。厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯の所得の実態を確認してみましょう。

※高齢者世帯とは、65歳以上の人のみで構成する世帯、もしくは65歳以上の人に18歳未満の人が加わった世帯を指します。
※あくまでも平均所得金額であり、実際には世帯差があります。

同調査によると、高齢者世帯の1世帯当たり平均総所得は年336万1000円です。月額に換算すると、約28万円となります。

所得の内訳を見ると、最も大きいのは「公的年金・恩給」で、金額は年205万9000円(月額約17万2000円)、総所得に占める割合は61.3%です。次いで「稼働所得」が年87万1000円(構成割合25.9%)、そのほか財産所得や仕送り・企業年金・個人年金等が続きます。

ここでFPの視点から強調しておきたいのは、公的年金・恩給だけで総所得の6割を超えているという事実です。さらに、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、「公的年金・恩給が総所得の100%を占める世帯」、つまり収入が年金のみという世帯が41.3%と、4割を超えています。

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合10/10

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」

この数字が示すのは、多くの高齢者世帯にとって、年金以外の収入源が限られているという現実です。だからこそ、年金生活者支援給付金のような「上乗せ給付」の存在は、家計にとって決して小さくない意味を持ちます。

月額5620円という金額は、一見すると大きくないように感じられるかもしれませんが、収入の大半を年金に頼る世帯にとっては、年間で6万7440円の上乗せとなり、家計の下支えとして無視できない金額です。年金収入を増やすことが難しい高齢期だからこそ、受け取れる給付を漏れなく申請し、確実に受け取ることで、家計を守る現実的な手段となるでしょう。

加藤 聖人
高齢者世帯の所得の6割以上を公的年金が占めているという事実は、裏を返せば、年金以外の収入を増やすことが年齢的に難しくなっていく中で、公的な上乗せ給付の重要性が相対的に高まっていくということでもあります。月々の金額は大きくなくても、忘れずに申請しているかどうかで、長期的には家計への影響が積み重なっていきます。

まとめ

年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入が一定基準以下の年金受給者に対して、年金に上乗せして支給される制度です。

2026年度は給付基準額が引き上げられ、老齢年金生活者支援給付金の場合、月額5620円が基準額となっています。

ただし、この給付金は申請しなければ受け取れません。すでに年金を受給している方には請求書(はがき型)が郵送され、65歳から新たに受給する方や繰上げ受給中の方は、それぞれ手続きの流れが異なります。

自分がどのケースに当てはまるのかを確認し、対象となる場合は忘れずに申請しましょう。

また、今回確認したように、高齢者世帯の所得は公的年金を中心に成り立っています。年金生活者支援給付金のような上乗せ給付も含めて、受け取れるお金を漏れなく把握しておくことが、老後の家計の安定につながります。

まずは、自分や家族が対象になる制度がないか、この機会に一度確認してみてはいかがでしょうか。

参考資料

加藤 聖人