2. 【シミュレーション】夫30歳・妻30歳・子2歳の家庭では、どう変わる?

会社員の夫(30歳)が亡くなったケースで、妻が受け取れる遺族年金の変化を時系列で見てみましょう。

条件:夫は平均月収35万円で8年間、厚生年金保険に加入。

2.1 子育て期(妻30歳〜46歳)

  • 現行:月約12.3万円
  • 改正後:月約12.7万円(月約3900円増)

子どもがいる期間の加算額が引き上げられ、改正後の方が受取額はむしろ増えます。

子育て世帯への支援を手厚くする方向性は継続されます。

2.2 子離れ後の現役期(妻47歳〜64歳)←最大の変更点

  • 現行:65歳まで月約8.7万円(遺族厚生年金+中高齢寡婦加算)を受け続けられる
  • 改正後:最初の5年間は月約4.7万円、52歳以降は原則「0円」

ここが今回の改正における最大の注意点です。

現行では子どもが独立した後も65歳まで毎月約8.7万円が保障されていましたが、改正後はその保障が5年で終わります。

妻が52歳から65歳になるまでの13年間、これまであった遺族年金の収入が途絶えることになります。

2.3 老後(妻65歳以降)

  • 現行:自分の老齢基礎年金+遺族厚生年金(自身の老齢厚生年金が高ければ遺族厚生年金は実質消滅)
  • 改正後:自分の年金に加え、夫の年金記録を分割した「死亡時分割」として月約7600円が上乗せされる

老後については、共働き世帯に有利な「死亡時分割制度」が新設されます。

亡くなった夫の年金記録が、妻自身の老後の年金に上乗せされる仕組みです。

※このシミュレーションは制度改正のイメージを具体化するためのモデルケースであり、任意の数値を用いた概算です。実際の受給額は加入期間や収入によって異なります。また今回の見直しは、現在の受給者や40代以上の方への影響に配慮し、2028年4月から20年かけて段階的に実施される設計となっています。