近年の日本の夏は猛暑と強い日差しが続くようになり、日なたの植物が傷んで弱ってしまうことも増えてきました。むしろ、これからの夏は、半日陰の庭が植物の美しさを維持できる空間だといえるかもしれません。
筆者も庭をつくった当初は、半日陰の庭に何を植えればよいか、悩んだこともありましたが、今ではとっておきのお気に入りの場所に。今回は我が家の庭で10年以上育ててきて、心から「植えてよかった」と実感している植物を5種、参考価格とともに紹介します。
記事後半では、半日陰の庭で植物を育てるコツについてもお伝えしますので、さっそく見ていきましょう。
1. この記事で紹介する「半日陰の庭に植えてよかった多年草・低木」にまつわるあれこれ
- 半日陰の庭に「植えてよかった」10年以上植えっぱなしの多年草・低木5選
- 半日陰の庭で植物を育てる3つのコツ
- 【ガーデニング豆知識】日なた、日陰、半日陰、明るい日陰とは?
※この記事では、兵庫県で筆者が実際に育てている植物をご紹介します。開花時期や育てやすさは、お住まいの地域や育てている環境、品種等によって異なりますので、ご注意ください。
2. 半日陰の庭に「植えてよかった」10年以上植えっぱなしの多年草・低木5選
2.1 ふんわりとした花穂が幻想的な「アスチルベ」
我が家の半日陰の庭で、高さを出して空間に立体感を作りたいときに、頼りになるアスチルベ。小さな花が集まり、ふわふわと煙るような幻想的な花穂が魅力です。
適度に湿った環境が好みで、雨に濡れながらも庭をしっとりと彩ってくれます。
※参考価格:300円~700円前後(3号ポット苗)
2.2 背の高い花穂にインパクトがある「アカンサス・モリス」
アカンサス・モリスはダイナミックな葉の美しさと、背の高い花穂が抜群の存在感。日なたから半日陰まで、幅広い環境に適応できる多年草です。
とくに肥料を与えなくてもよく育つため、我が家では少し広めの半日陰スペースに植えています。
※参考価格:300円~1000円前後(3号ポット苗)
2.3 花色の移り変わりが美しい、アジサイの仲間「アナベル」
大きな手まりのような白い花が、半日陰の庭を明るく照らすアナベル。咲き始めの淡い緑から輝くような純白へ、さらに黄緑色に変化する姿が気に入っています。
強めに低く剪定しても、毎年ボリューム満点に咲き誇る頼もしさが魅力です。
※参考価格:1000円~2000円前後(4号ポット苗)
2.4 つり下がるベル型の花が愛らしい「アマドコロ」
アマドコロは白い斑入りの大きな葉と、長い茎からつり下がるように咲く白い花が涼やか。清楚で上品なたたずまいを見るたび、心が洗われるようです。
地下茎でゆっくりと横に広がり、10年以上経った今は、まとまった美しい群生になっています。
※参考価格:500円~1000円前後(3号ポット苗)
2.5 風に揺れる姿が涼しげな「フウチソウ」
「風知草」と漢字で表記されるとおり、風が吹くと細い葉がサラサラとしなやかに揺れるフウチソウ。筆者の半日陰の庭に、心地よい動きと清涼感を運んでくれます。
花のような派手さはありませんが、歳月をかけてゆっくりとドーム状に株が充実していく姿は見事です。
※参考価格:500円~800円前後(3号ポット苗)
3. 半日陰の庭で植物を健やかに育てる3つのコツ
3.1 風通しを確保して蒸れを防ぐ
半日陰の環境は日なたに比べて水分が蒸発しにくいため、湿気がこもりやすくなります。とくに梅雨から夏にかけての高温多湿な時期は、蒸れが原因で病気が発生しやすくなることも。
周囲の茂りすぎた枝や葉を取り除いて、風の通り道をつくったり、株同士の間隔を少し広めに取って植え付けたりすることで、余分な湿気がこもらず、植物が健康に育ちやすくなります。
3.2 水やりは土の表面が乾いてから
半日陰の庭に日なたの庭と同じ頻度で水やりをしてしまうと、土の中がつねに湿った状態になり、根腐れを引き起こす原因になります。指先で土を触り、乾いているのを確かめてからたっぷりと与えましょう。
3.3 肥料は控えめにしてじっくり育てる
日光が限られる半日陰では、植物の生育スピードも比較的緩やかになります。そのため、早く大きく育てようとして、たくさんの肥料を与えてしまうのは逆効果。
肥料が多すぎると、肥料焼けを起こしたり、間伸びして軟弱に育ったりします。肥料は控えめにして、じっくりと時間をかけて根を張らせましょう。
4. 日陰に強い植物で半日陰の庭を心がほっと安らぐ空間に
半日陰の庭は、日なたの庭とはひと味異なり、静かで落ち着いた時間の流れがあります。10年、15年と時を重ねるごとに株は大きく生長し、庭が潤いに満ちた風景に。
今回ご紹介した植物たちは、過酷な環境に耐える強さと、見る人の心を癒やす繊細な美しさを兼ね備えたものばかりです。耐陰性の強い植物を植えて、半日陰の庭を心安らぐ空間にしてみませんか。
5. 【ガーデニング豆知識】日なた、日陰、半日陰、明るい日陰とは?
さいごに「日なた、日陰、半日陰、明るい日陰の違い」も整理しておきましょう。
- 日なた:1日中よく日光が当たる場所。または、日陰になる時間が1日2~3時間程度。
- 半日陰:半日程度(1日3~6時間程度)日が当たる場所。または、日なたの木の下など、木漏れ日がさす場所。
- 明るい日陰:1日を通して直射日光はほとんど当たらないが、外壁や窓などの反射光で、ある程度の明るさがある場所。または、1日1~2時間程度日が当たる場所。
- 日陰:1日を通して日光がほとんど当たらない場所。
「日陰で育つ」と言われている植物の多くは「半日陰」や「明るい日陰」を好みます。完全な「日陰」で生育できる植物もありますが、そのような場所では花つきや葉色が悪くなりがちです。
可能であれば、少しでも明るい場所や、1日1~2時間でも日光が当たる場所を選んで植え付けると、育てやすくなりますよ。
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