2. 平均年収300万円・勤続30年のシミュレーション!厚生年金と国民年金の合計額は?
ここでは、生涯にわたる平均年収が300万円であり、民間企業において30年間勤務したというケースを設定し、以下の前提条件に基づいて将来受け取れる年金の目安額を試算してみます。
- 2003年4月以降の期間に、厚生年金へ通算30年間(360ヶ月)加入している
- 国民年金は20歳から60歳までの40年間のうち、学生納付特例(追納なし)などにより実質納付期間が30年と仮定する
- 配偶者や扶養家族のいない単身の世帯である
2.1 2階部分にあたる「厚生年金」の受給額を計算
厚生年金として支給される金額は、定められた算式にのっとって導き出されます。
年金額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額
ここでいう「経過的加算」とは、定額部分の計算額が老齢基礎年金を上回るときにその差額を埋めるための給付であり、「加給年金」は扶養している配偶者や子供がいる世帯に上乗せされる家族手当のような制度です(それぞれ支給には一定の条件があります)。
本記事における試算では、受給額の大部分を占める「報酬比例部分」に絞って計算を行うため、「経過的加算」や「加給年金額」については考慮していません。
なお、中心となる報酬比例部分は、以下に示す固有の計算方法によって算出されます。
報酬比例部分の合計=A+B
- A(2003年3月以前の加入分):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入月数
- B(2003年4月以降の加入分):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数
「平均標準報酬月額」とは、2003年3月より前の加入期間において、各月の標準報酬月額の総和をその期間の月数で割って算出するものです。
これに対し「平均標準報酬額」は、2003年4月以降の加入期間を対象とし、毎月の標準報酬月額に賞与(ボーナス)の額を加算した総額を、加入月数で割って算出します。
例として、2003年4月以降に30年間にわたり厚生年金に加入し、生涯の平均年収が300万円であったと想定します。このとき、賞与込みの年収の12分の1にあたる約25万円が平均標準報酬額の目安となります。
この数値をベースに簡易的な試算を行うと、老後に受け取れる厚生年金の額は月額で約4万1000円となります。
2.2 1階部分にあたる「国民年金」の支給額をシミュレーション
会社員など厚生年金の対象者は「第2号被保険者」となるため、老後は厚生年金だけでなく、国民年金(基礎年金)も合わせて受給することが可能です。
ここでは、年金のベースとなる1階部分、すなわち国民年金の受給額について見ていきましょう。
国民年金の基本的な支給額は、次の数式を用いて算出されます。
満額の基準額(※昭和31年4月2日以降に生まれた方が対象)に対し、「保険料の実際の納付月数 ÷ 加入可能な最大月数」を掛け合わせて割り出します。
今回の試算モデルのように、学生特例などの影響により保険料を実際に納付した期間が通算30年間(360ヶ月)となるケースでは、国民年金の受給額は月額で約5万3000円となります。
これらを総合すると、生涯の「平均年収300万円」の会社員が「30年間」勤務した場合、1階の国民年金と2階の厚生年金を合わせた合計の受給額は、月額で約9万4000円という目安になります。

