6. 【75歳以上】医療費が高額になったら?「高額療養費制度」を活用しよう
「窓口負担が2割、3割になったら、医療費が青天井になってしまうのでは?」と心配になるかもしれません。
その負担を軽減するために、医療費が高額になった場合に家計を支える仕組みとして「高額療養費制度」が用意されています。
これは、1カ月(同じ月内)の医療機関の窓口で支払う医療費の自己負担額が上限を超えた場合、申請により超えた分が払い戻される制度です(※保険適用となる診療が対象で、入院時の食事代などは対象外)。
自己負担の上限額も所得に応じて設定されており、一般的な所得水準の方であれば数万円程度に抑えられるようになっています。
また、現在はマイナ保険証を利用することで、窓口での一時的な立て替え払いが不要になる仕組みが普及しています。受診時にマイナ保険証(または事前の申請による限度額適用認定証)を利用すれば、窓口での支払いを最初から自己負担上限額までに抑えることができます。
たとえ入院や手術で医療費総額が高額になった場合でも、過度な負担が生じないセーフティネットが機能しています。
6.1 【注意】2割負担の「配慮措置」は2025年9月末で終了
2割負担の対象となる方について、これまでは「1カ月の外来医療の窓口負担増加額を3,000円までに抑える」という配慮措置がありました。しかし、この配慮措置は2025年(令和7年)9月30日をもって予定通り終了しています。
2025年10月1日以降は外来の上限額が本来の「月1万8000円(年間上限14万4000円)」となるため、受診頻度によってはこれまでよりも窓口での支払額が増加する可能性があります。
2割負担に該当する方は、今後の家計管理において医療費の変動をあらかじめ見込んでおくことが重要です。
7. まとめにかえて|医療費と老後資金を見据えた家計管理
- 医療費の窓口負担割合は、前年の所得をもとに毎年8月に見直される(世帯構成の変化でも変動あり)
- 医療費が高額になっても、「高額療養費制度」によって所得に応じた1カ月の自己負担上限額が設けられている
- 高齢になるほど医療費は増える傾向にあるため、毎年定期的に自身の負担割合を確認する習慣をつけることが大切
後期高齢者医療制度における窓口負担割合は、所得水準や世帯構成によって決まりますが、医療保険制度を取り巻く環境は今後も変化していく可能性があります。
その一つが、すでに始まっている「子ども・子育て支援金制度」です。少子化対策を社会全体で支える仕組みとして創設され、後期高齢者医療制度でも保険料に支援金相当額が反映されています。被保険者1人あたりの負担は月額およそ200円程度(※試算)とされています。
一人あたりの負担額は小さく感じられても、年間では数千円程度の負担となるため、家計への影響を実感する世帯もあるでしょう。
少子高齢化が進むなかでは、医療保険料や関連する負担が今後も緩やかに増えていく可能性があります。
制度の仕組みや制度改正の動向を理解し、こうした追加負担も踏まえて家計全体を見通しておくことが、老後の暮らしを安定させるうえで重要なポイントになるでしょう。
※支援金額は、お住まいの都道府県後期高齢者医療広域連合が定める条例に基づき、個人の所得等に応じて決まります。支援金額の月額についてはお住まいの市町村にお問い合わせください。なお、後期高齢者医療広域連合ごとに支援金に係る保険料率が異なります。また、令和8年4月分からの拠出となりますが、具体的な徴収開始時期はご加入の広域連合にお問い合わせください。