4. まとめにかえて
老齢年金以外にも、再就職手当や年金生活者支援給付金など、シニアが受け取れる公的給付は複数あります。共通するのは「申請しなければ受け取れない」という点です。
在職老齢年金の65万円への引き上げで、働きながら年金を満額受け取れる人も増えました。制度を正しく知り、使える給付を取りこぼさないようにしたいところです。
5. 【監修者のコメント】この記事の総括とこれからの実務上の注意点
日本の社会保障制度は、あらかじめ定められた要件を満たした者が自ら申し出ることで初めて権利が確定する『申請主義』を原則としています。
役所の窓口担当者は、尋ねられた個別の制度については正確に回答してくれます。しかし、年金・雇用・税制はそれぞれ管轄が異なるため、相談者の世帯全体の状況を横断的に把握し、『これも対象になりますよ』と先回りして提案することは、実務上および個人情報の観点から極めて困難です。
だからこそ、まずはご自身の『年金証書』と『源泉徴収票』等をお手元にご用意ください。年金証書で受給資格のベースを確認し、源泉徴収票の数字でお住まいの自治体の非課税ラインと照らし合わせる。
『よく分からないから』と手続きを躊躇することは、受給権の放棄にほかなりません。客観的な数字に基づき、ご自身の正当な権利を一つひとつ点検していくこと。それがこれからの時代における、確実な生活防衛策となります。
参考資料
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金特設サイト」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 東京都主税局「個人住民税」
柴田 充輝